富士フイルムメディカル株式会社、デジタルX線画像診断装置 DR方式・無線タイプの高画質モデルデジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO C 1417 Wireless SQ」を発売
同社は、平成20年9月より、少ないX線量でもシャープかつ高画質なX線画像を提供する独自の「ISS方式」の間接変換型FPDを採用したデジタルX線画像診断装置「CALNEO」シリーズを発売している。今年3月には、カセッテサイズに無線タイプを加え、無線通信モード、有線通信モードを瞬時に切り替えられる高い実用性で、医療現場から評価を得ている。
今回、カセッテサイズの無線タイプに、従来よりもさらに少ないX線量で撮影できる高画質モデルを追加した。「CALNEO C ワイヤレス SQ」は、センサーであるFPD内の蛍光体(シンチレータ)に、光変換効率が優れたCsI(ヨウ化セシウム)柱状結晶を採用することで、高感度化を実現するとともに光の拡散を抑制した高鮮鋭な画像が得られる。また、シンチレータと受光素子を貼り合わせる「接合構造」を採用し、X線照射面側に受光素子を配置した「ISS方式」と組み合わせて、一般的な間接変換型FPDにおいて世界トップレベルのDQE(量子検出効率)を実現した。これにより、「CALNEO C ワイヤレス SQ」は、CRと比べて約半分のX線量でも高画質な画像を得ることができ、X線の被ばく線量の低減が要求されている小児・産科領域の撮影などでは特に有効である。
主な特長
1.「CsI(ヨウ化セシウム)シンチレータ」、「接合構造」、「ISS方式」により、高画質化を可能とし、撮影時のX線量を大幅に低減することが可能
一般的な間接変換型FPDで用いられているCSS(Conventional Side Sampling)方式では、X線照射側にシンチレータ層、出射側に受光素子(TFTパネル)が配置されている。CSS方式では、X線照射側の高強度の発光光が受光素子に達するまでに減衰・散乱しやすく、X線情報のロスが大きい。一方、同社独自の「ISS方式」ではX線照射側に受光素子基板を配置し、X線照射側の高強度の発光と受光素子までの距離が短く、発光光があまり散乱されずに効率よく検出される。また、CsI柱状結晶を受光素子に直接蒸着してCsI 柱状結晶を形成する、従来一般的な「直接蒸着構造」ではなく、光変換効率が高く、結晶性の良いCsI柱状結晶の先端部分と受光素子を貼り合わせる「接合構造」を採用することで、高画質化が可能となる。
2.無線LANに対応したカセッテサイズを採用し、一般X線撮影で幅広く使用可能
外形寸法はISO4090に準拠した従来のフィルムカセッテやCR用IPカセッテと同じ半切サイズ(横38.4cm×縦46cm)で、既設の立位・臥位撮影台へそのまま装填できるため、導入コストを最小限に抑えて一般X線撮影で幅広く使用することができる。
3.撮影業務効率の向上と検査時間の短縮を実現
撮影後、約1秒で画像が表示され、次の撮影までの間隔も約10秒と短く、連続撮影もストレスなく実施でき、撮影者の業務効率化とX線検査時間の短縮が図れる。
4.「無線通信モード」と「有線通信モード」の切り替えが可能
撮影用途に応じて「無線通信モード」と「有線通信モード」を自由に切り替えできる(切り替え時間は約1秒)。有線通信モードでは、撮影中に「CALNEO C ワイヤレス SQ」に搭載しているバッテリーの充電も同時にできる。
5.拡張性の高いシステム
「CALNEO C ワイヤレス SQ」を制御するコンソールは、ほかのDRやFCR装置なども制御可能で、一人の患者を複数の装置で撮影する場合にも患者情報や撮影画像を一元管理することができるなど、最適な撮影ワークフローを提供するとともに、省スペース化を実現する。
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