富士フイルム、CALNEOシリーズ「FUJIFILM DR CALNEO Flow」を新発売!

2020.12.01

●“薄型フィルムのTFT基板”をセンサーパネルに初めて採用※1

●シリーズ最軽量※2のワイヤレスカセッテサイズデジタルX線画像診断装置

●高画質・低線量を追求したハイエンドモデルをラインアップ
 
 
 基板(以下、フレキシブルTFT)を初めて採用し、画像読取技術ISS※3方式と組み合わせてさらなる軽量化と高感度化を実現したカセッテサイズデジタルX線画像診断装置(以下、カセッテDR)「FUJIFILM DR CALNEO Flow(カルネオフロー)」を、富士フイルムメディカル㈱を通じて12月1日に発売する。「CALNEO Flow」は、蛍光体に温度や湿度などの環境変化に強いGOS(ガドリニウムオキサイドサルファ)と、X線エネルギーの変換効率が高いCsI(ヨウ化セシウム)を採用した2種類、各2サイズ(14×17インチ、17×17インチ)をラインアップし、「FUJIFILM DR CALNEO」シリーズ(以下、カルネオシリーズ)のハイエンドモデルとして計4機種で展開する。

FUJIFILM DR CALNEO Flow G47、C47

 カルネオシリーズは、画像読取技術ISS方式により低線量で高画質なX線撮影を実現するカセッテDRとして、2009年の発売以降、多くの医療現場で高い評価を得ている。これまでのカルネオシリーズは、ガラス素材のTFT基板をセンサーパネルに搭載していたが、今回発売する「CALNEO Flow」には、最新のスマートフォンやタブレットなどに使用されているフレキシブルTFTを採用し、シリーズ最軽量を実現した。従来のカセッテDRは、CRカセッテよりも重いことが課題でしたが、14×17インチサイズの「CALNEO Flow」は、同サイズの富士フイルムのCRカセッテよりも軽量化※10を達成、さまざまなX線撮影現場で快適に利用することができる。
 さらに、X線が入射するセンサーパネルの表面から光信号を効率良く読み取る富士フイルムのISS方式とフレキシブルTFTの組み合わせにより、カルネオシリーズの従来機と比べX線エネルギーの透過性が向上。X線変換効率(DQE※4)は従来機から4ポイントアップの58%(1Lp/mm・1mR※5)を達成し※6、さらなる低線量撮影を実現する。
 また、先行機種である「CALNEO Smart※7」で好評のシェル型フレームを引き続き採用し、軽量ながら「CALNEO Smart」と同等の耐荷重310kgを実現。カセッテ側面がラウンド形状のため、カセッテを持ち上げる際に指がかかりやすく、撮影時に患者とベッド間の挿入性の向上にも寄与する。従来の防水に加え、新たに防塵にも対応した防塵・防水の保護規格IP56※8に準拠し、さらなるタフネス化を実現した。

 「CALNEO Flow」は、高い抗菌性能とその持続性を合わせ持つ富士フイルムの抗菌コート技術「Hydro Ag(ハイドロエージー)」※9でカセッテDRの全面をコーティングした「抗菌仕様」である。銀系抗菌剤を含有した超親水性膜により、表面に付着した汚れを落としやすく、清潔で衛生的に使用できる。
 富士フイルムは、今後もさまざまな医療現場のニーズに応え、医療従事者のワークフロー効率化・医療の質の向上、人々の健康維持増進に貢献していくことを目指す。
 
 
<記>
1.品名
「FUJIFILM DR CALNEO Flow」
販売名:デジタルラジオグラフィDR-ID 1800/認証番号:302ABBZX00021000号
構成品:
[1]フラットパネルセンサ:DR-ID 1811SE/1812SE/1831SE/1832SEのいずれか、または複数
(1)14×17インチサイズ
・CsIタイプ:FUJIFILM DR CALNEO Flow C47(DR-ID 1811SE)
・GOSタイプ:FUJIFILM DR CALNEO Flow G47(DR-ID 1831SE)
(2)17×17インチサイズ
・CsIタイプ:FUJIFILM DR CALNEO Flow C77(DR-ID 1812SE)
・GOSタイプ:FUJIFILM DR CALNEO Flow G77(DR-ID 1832SE)
[2]画像処理ユニット(DR-ID 300の構成品DR-ID 300CL、認証番号:第221ABBZX00151000号)

2.発売日
2020年12月1日

3.主な特長
(1)富士フイルムのカセッテDRに初めてフレキシブルTFTを採用し、軽量・高感度化を実現

 最新のスマートフォンやタブレットで使われているフレキシブルTFTを採用。
 2011年に発売した第1世代のワイヤレスカセッテDRと比べ、重量を約40%減と大幅に軽量化。GOSシリーズの14×17インチサイズは約1.8kg※10で、富士フイルムのCRカセッテ(2.0kg)より軽量である。軽量化によりカセッテDRの取り回し性が向上し、さまざまなX線撮影現場で快適に利用することができる。

(2)ISS方式とフレキシブルTFTの組み合わせで低線量・高画質を実現

フレキシブルTFT の採用でX 線の変換効率(DQE)が向上。さらに、ボケの少ないシャープな画像を提供する。

 X線が入射するセンサーパネルの表面から光信号を効率良く読み取る富士フイルムのISS方式を継承。フレキシブルTFTの採用で、ISS方式の特長であるシンチレータ層のX線エネルギーの減衰や拡散の影響を低減する効果はそのままに、従来機と比較してX線エネルギーの透過性が向上した。
 これにより、CsIシリーズにおいてDQEが従来機から4ポイントアップの58%(1Lp/mm・1mR)を達成した。ISS方式とフレキシブルTFTの組み合わせは、さらなる軽量化と高感度化を実現し、フレキシブルTFTのメリットを最大限に引き出すことができた。
 また、フレキシブルTFTをカセッテDRに採用するには大型サイズでの製造が難しいという課題があるが、富士フイルムは写真フィルムの生産で培ってきた生産技術によって、高品質な大型のフレキシブルTFTおよびX線検出器の安定的な生産を可能とし、カセッテDRへの搭載を実現した。

(3)さまざまな撮影現場を想定したタフネス設計

防塵・防水の保護規格(IP56)に準拠。
IP5X:防塵5 級、IPX6:防水6 級。

 近年、カセッテDRの使用用途が災害現場や在宅診療分野へも拡大していることを受け、さらなるタフネス化を実現しました。従来のX線検出器にはガラス素材のTFT基板を採用していたため、衝撃によるガラス割れがあり、また重量も重くなっていた。
 「CALNEO Flow」はフィルム素材のTFT基板を採用しており、従来のガラス割れの心配がありません。また、カセッテDRの内部フレームに、新たにMg-Li(マグネシウム-リチウム)合金の鍛造フレームを採用し、軽量ながら耐荷重310kgを実現しました。さらに、防塵・防水の保護規格IP56に準拠しており、より安心して使用することができる。

(4)富士フイルムの抗菌コート技術「Hydro Ag」による清潔性

 「Hydro Ag」でカセッテDRの全面に抗菌コーティングを施した。塗布膜表面の銀イオン濃度が高くなり、従来の抗菌コートと比べて約100倍の抗菌性能を実現し、さらに、その効果が長期間持続する。銀系抗菌剤を含有した超親水性膜により、カセッテ表面に付着した汚れも拭き取りやすく、清潔で衛生的に使用することができる※11
 
 
※1 2020年12月1日現在、富士フイルムとして初めて採用。
※2 2020年12月1日現在、富士フイルムのカセッテDRとして最軽量。
※3 Irradiation Side Samplingの略。従来型のFPDと反対側のX線照射面側にセンサーを配置し、X線の照射面側よりX線から変換された光信号を読み取る富士フイルム方式。パネルの蛍光体層でX線を光信号へ変換するが蛍光体にはGOS(ガドリニウムオキサイドサルファ)とCsI(ヨウ化セシウム)がある。
※4 Detective Quantum Efficiencyの略。X線情報を検出システムがどの程度無駄なく捕捉して画像に役立たせているかの尺度。DQEが高いほど高画質な画像が得られ、低線量化が可能となる。
※5 照射線量1mRでの空間周波数の単位。
※6 CsIシリーズの場合。
※7 販売名:デジタルラジオグラフィDR-ID 1200、認証番号:第226ABBZX00085000号。
※8 「IP(侵入への保護)」とは「IEC(国際電気標準会議)」によって定められている防水・防塵の保護規格。IP5Xは防塵5級を指し、「粉塵が内部に侵入せず、若干侵入しても正常運転を阻害しない」ことを示す。IPX6は防水6級を指し、「あらゆる方向からノズルによる強力な噴流でも有害な影響がない」ことを示す。
※9 2014年7月に富士フイルムが開発した抗菌コート技術。従来の銀系抗菌剤を使った抗菌コートに比べて約100倍の抗菌性能を実現。
※10 GOSシリーズの14×17インチサイズは約1.8㎏(バッテリを除く重量)、17×17インチサイズは約2.1kg(バッテリを除く重量)、バッテリの重量は約180g。
※11 抗菌規格JIS Z 2801に適合、国際規格ISO22196に対応したSIAA(抗菌製品技術協議会)登録商品である。

 
 
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富士フイルムメディカル株式会社 営業本部 マーケティング部
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