東北大学が東北で初めてエレクタ株式会社の高精度MRI画像誘導がん放射線治療装置の導入を決定

2020.12.10

 東北大学病院は、従来よりも高精度にがん放射線治療が可能であるElekta Unity MRリニアックシステム(以下、Elekta Unityを 導入する契約をエレクタ株式会社と締結した。治療開始は、2021年10月頃を予定している。
 Elekta Unityは、体内を高画質に描出可能な1.5テスラMRIと高精度に放射線を照射するリニアックを一体化させた世界初の高磁場MRI画像誘導がん放射線治療装置である。本装置では照射直前にその日の腫瘍と周辺の重要臓器の位置や形状をMRIにて確認し、オンラインで「その日の治療計画」を作成する。そのため腫瘍位置の変化に対応するマージンを最小化することで、健常組織への放射線の影響を最小限に抑えながら、腫瘍への照射線量を高めることができる。
 また、照射開始から終了までリアルタイムで腫瘍や重要臓器の位置・形状の変化をMRIにて監視することができる。MRIは放射線を使わないため、従来のX線透視装置やCTと異なり、画像誘導のための被ばくがない。例えば、小腸が治療中に照射野内に移動した場合に、医師がそれを目視で確認できるため、照射を一時中断することも可能になり、より安全な放射線治療を提供することができる。
 さらに、高磁場MRIでは解剖情報のみならず腫瘍内の機能情報も取得できるため、今後、腫瘍内の細胞活動を測定することで、 放射線に対する腫瘍の反応を早期に予測して、治療計画を変更することが可能となることが期待される。
 エレクタ株式会社代表取締役社長チャールズ・シャーネンは次のように述べている。「Elekta Unityを通して、東北大学病院に高磁場1.5テスラMRIガイド下放射線治療をお届けし、多くの患者さんのがん治療に貢献できることを大変光栄に思います。」東北大学病院放射線治療科の神宮啓一教授は「Elekta Unityの導入により、がん患者さん一人ひとりにあわせたより安全でより高度な医療の提供が可能となります。特定機能病院として、患者さんにやさしい医療と先進医療との両立という理念のもと、東北地方のがん治療の拠点としての使命を果たしてまいります。 」と述べた。
※リニアック 直線加速器のことで、放射線治療用の X線や電子線を発生させる最も一般的な放射線治療装置。頭から四肢まで、全身のあらゆる領域の病変の治療が可能な汎用機。
【問い合わせ】
(治療に関すること)
東北大学大学院医学系 研究科
担当 神宮 梅澤
E-mail:kjingu-jr@rad.med.tohoku.ac.jp
(取材に関すること)
東北大学病院広報室
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E-mail:pr@hosp.tohoku.ac.jp
(製品に関すること)
エレクタ株式会社
担当菅野中林
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E-mail:marketing-japan@elekta.com