3月1日新製品TOF-PET装置BresTome(ブレストーム)の発売を機にオンラインメディア説明会を行った。
伊藤邦昌氏(専務執行役員医用機器事業部長)が挨拶に立った後、水田哲郎氏(医用機器事業部技術部PETグループ長)は、「新しく開発されたTOF-PET 装置は今までは頭部と乳房をそれぞれ違う装置で検査を行っていたが、このBrestomeは1台で両方の検査が可能になった。なおかつ従来機よりも、脳機能の検出性能が格段に向上。さらに、保険適用されている脳腫瘍やてんかんの臨床診療に加え、アルツハイマー型認知症(以下AD、日本の臨床では保険未適用)をはじめとする各種神経変性疾患の診療応用を支援している」と語った。
ほかにも同機は、高画質のPET画像を提供可能な高空間分解能、被験者の負担軽減にもなる低被ばくを実現しており今後の医療を支える大きな役割を担うことになるだろう。
本装置に対し、プロトタイプ機で共同研究を行っている近畿大学放射線医学教室の石井一成教授からも、「本装置は頭部専用PET装置として世界初の実用機としてその高い分解能をえることができ、今後増加する脳PET検査需要に応える画期的な装置になりうる。乳房専用機としても従来機より広い範囲で撮像でき腋窩リンパ節も撮像可能で臨床私用で大きな期待が出来る」と期待をにじませた。
島津製作所は今後、血液分析という分析計測技術と、PET画像診断と言う医用技術で連携することで、各種認知症の予防の確立、臨床診断研究、創薬研究などあらゆる分野にも貢献していくことであろう。