株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、コーポレートベンチャーキャピタル(以下、CVC)
ファンド*1「HV Fund」の第2 号ファンドを設立する。本ファンドでは、日立が注力する事業領域の
一部である環境・ヘルスケアを中心とする成長分野において、イノベーションを牽引するスタートアッ
プ企業への戦略的な投資を行う。
日立は2019 年6 月に日立ベンチャー社を設立し、「HV Fund」の第1 号ファンド組成した*2。 第1 号ファンドでは、日立の事業領域において、デジタルテクノロジーと新たなビジネスモデルでイノ ベーションを牽引するスタートアップ企業への投資を行ってきた。これまでに、インダストリアル AI/IoT、データマネジメント/コンピューティング、デジタルヘルスケア、ライフサイエンスなどの分野に おけるスタートアップ企業11 社に出資している。これらの出資を通じて、新市場開拓・新ソリューシ ョン提案など、日立のアセットやケイパビリティを活用したイノベーションを推進している。また、この 活動が評価され、日立ベンチャー社CEO のStefan Gabriel は、卓越したCVC 活動の実践家を 選定する「GCV Powerlist 2021」3 において、Top25 に選出された。
今般、日立が注力する環境・ヘルスケア分野でのイノベーションの加速をめざし、気候変動対応
や資源循環促進などを通じた環境価値と、医療・医薬を含むヘルスケアによる社会価値を生み出す
スタートアップ企業への投資を強化するため、150 百万米ドル規模の第2 号ファンドを設立する。
日立ベンチャー社が持つグローバルなネットワークを生かし、先端技術と先進的なビジネスモデルに
挑戦するスタートアップ企業を発掘するとともに、出資・協創の両面で連携を強化することで、成長を
加速させる。
日立はさらなる成長に向けて、2050 年からのバックキャストに基づくオープンイノベーションに投
資し、イノベーション力の強化をめざしている。研究開発による先進技術の開発と、CVCファンドを
通じたスタートアップ企業との協創の両輪で、イノベーションによる成長を実現していく。
■日立製作所 執行役社長兼COO 小島啓二のコメント
日立はもともと鉱山で生まれたベンチャー企業です。今回設立する第2 号ファンドを通じて、環境
とヘルスケア分野を中心に、革新的な技術を有するスタートアップ企業を支援し、協創を行うことで、
2050 年の社会課題の解決に向けた技術開発や事業の創出、市場開拓とグローバルでの事業成長
を共にめざします。COP26 のプリンシパル・パートナーとして、本ファンドも活用しながら、共に脱炭
素社会の実現に向けて取り組み、Climate Change Innovator となりたいと考えています。
社会貢献という志を同じくするスタートアップ企業とのオープンイノベーションを通じて、最先端技
術を生かした新たなソリューションを創出し、日立が注力する「環境」「レジリエンス」「安心・安全」領
域の事業成長と、社会イノベーション事業のグローバル展開をさらに加速させていきます。
*1 CVC ファンド: 事業会社が社外のスタートアップ企業等に対して戦略出資するファンド。
*2 2019 年4 月26 日付ニュースリリース「イノベーションの創出を支援するためのコーポレートベンチャーキャピタルファン
ドを設立」https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/04/0426c.html
なお、上記リリースではCVCファンド名を「Hitachi Ventures Fund」と記載したが、正式名称は「HV Fund」となった。
*3 CVC 業界のデータプロバイダーであるGlobal Corporate Venturing 社が、毎年世界3,000 以上のCVC から選定
するもの。https://globalcorporateventuring.com/gcv-powerlist-2021-25-stefan-gabriel/
■新ファンドの概要
■日立ベンチャー社(Hitachi Ventures GmbH)について
■日立製作所について
日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が
幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献する。「環境(地球環境の保全)」
「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適
な生活)」に注力している。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステ
ムの6 分野で、OT、IT およびプロダクトを活用するLumada ソリューションを提供し、お客さまや社
会の課題を解決する。2020 年度(2021 年3 月期)の連結売上収益は8 兆7,291 億円、2021 年
3 月末時点で連結子会社は871 社、全世界で約35 万人の従業員を擁している。
また、日立は、COP26 のプリンシパル・パートナーとして、ネット・ゼロ社会の実現に向けて主導的
な役割を果たし、気候変動領域のイノベーターになることをめざしている。2030 年度までにすべて
の事業所で、2050 年度までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルの実現をめざす。