フィリップス・ジャパンの事業戦略発表会が12月8日に東京會舘(東京・千代田区)で行われ、堤氏(同社 代表取締役社長)は「フィリップスは2018年から「つなぐ」を掲げ、2019年では「デジタル化」、2020年では患者中心の「データ連携」、2021年では「ヘルスケア・医療資源の分散化」を掲げてきた。そして2022年は、人々の健康増進の社会の実現。日本初のAIを駆使した病気予防分野での共同研究を開始など、今までの流れを大きく加速させたい」と語った。
同氏は進化したデジタル技術を取り入れ、よりよい生活にしていくデジタル変革(DX)を起こし、循環型の仕組みを作っていくと述べた。
フィリップスはヘルステックコンソーシアムと題し他機関との協働モデルであるエコシステムの構築を開始している。青森県では健康まちづくり事業とし、主に高齢者を対象とした見守りセンター、ヘルスケアモビリティの運用、IOT技術を活用し高齢者訪問・見守りサービスの三事業を連携させたサービスの提供を行っている。この事業では患者データを有効活用し、病気予防や生活習慣の改善に生かしている。
さらに病気予防の技術では脳ドック用プログラム「BrainSuite®」が発表された。これは同社の「放射線画像技術」とCongSmart社の「脳医学研究」、東北大学の画像解析AI(人工知能)技術「Hippodeep」が結集し生まれたものだ。脳の健康状態を可視化するもので、認知症のリスクを下げる予防アドバイスも提供していく。
また、日本から世界への挑戦とし発表されたのが、東北大学との長期的研究・開発であり、ロイヤルフィリップスが創設した開発やイノベーションを加速するプログラムCRB(Clinical Research Board)だ。研究・開発テーマはAR/VRを活用した遠隔教育であり、心不全患者状態予測AI開発があげられる。
最後にデータ連携により問題解決を図るデータソリューションが述べられた。「eHomecare+」(遠隔診療、遠隔モニタリング)では患者と病院などの接点を仮想化する。これにより、いつでもデータのアクセスを可能にし、人々のQOLの向上を実現すると展望を語った。