島津製作所は、2021年12月16日に学校法人慈恵大学と臨床分野における最先端技術の研究開発を推進し、その成果を社会に還元するための、5カ年の包括連携協定を締結した。島津製作所と慈恵大学は、分析計測機器をはじめとする臨床検査装置や画像診断装置およびそれらに関連する分野での臨床ニーズの探索、共同研究の促進、人材育成を、慈恵大学傘下の東京慈恵会医科大学や同附属病院、健診センター等において進めてまいる所存である。この協定をきっかけに、基礎医学から臨床分野における幅広い領域での連携を図り、得られた成果を通じて広く社会に貢献することを目指していく。
近年、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)などの分析計測機器は「血液や尿等の検体中の複数成分を高速・高精度で一斉分析できる」という特長が評価され、臨床分野での利用が進みつつある。また、X線検査装置などの画像診断装置ではAIを活用した診断支援や撮影領域判定のアシスト機能など、画像処理やAI技術を用いた医療の質の向上と医師の負担を軽減する機能の強化が求められている。これらの最先端技術の開発には、臨床ニーズに基づいた研究開発、臨床現場での評価による改善・エビデンスの積み重ね、社会実装に向けた実証や事例の構築が必要となる。
当社は、慈恵大学との包括的な連携関係の構築により、『がん』『生活習慣病』『認知症・神経疾患』『感染症』等の領域において、当社の分析計測、画像診断装置等やそれらが生み出すデータなどを連携させた技術や製品を用いて、医療機関の課題解決や人々のQoL(Quality of Life)向上に貢献することを目指している。まずは、健康寿命に大きな影響を与える骨に関連する領域での連携を開始する予定で、今後は、更に連携領域を拡大・深化させ、研究成果の社会実装を加速させてまいる所存である。
(上)検体前処理装置および高速液体クロマトグラフ質量分析装置
(下)据置型デジタル式汎用X線透視診断装置
慈恵大学の関連ページ
http://www.jikei.ac.jp/news/press_release_20220127.html