コニカミノルタ株式会社(以下 コニカミノルタ)は、2022年2月24日開催の取締役会において、2022年4月1日付の代表執行役社長の交代を決議した。
【交代の内容】
氏名 | 新職 | 現職 |
山名昌衛 | 取締役 執行役会長 | 取締役 代表執行役社長 兼 CEO |
大幸利充 | 代表執行役社長 兼 CEO | 取締役 専務執行役 |
【交代の理由】
コニカミノルタは、経営統合以降、デジタルイノベーションがもたらす機会と脅威を見据え、社会価値と事業価値を一体化させ社会課題の解決につなげるサステナビリティ経営と、全ての価値創造の源泉となる人財の力を高めるスマートワーク経営の二つを骨幹に据えて持続的な企業価値向上を目指してきた。
2020年には、時代と共に変化するイメージングにこだわり、社会の人々の「みたい」に応えてきたコニカミノルタのDNAをベースに、新たな経営ビジョン「Imaging to the People」を策定した。また、中期経営計画「DX2022」では、2025年度までの二つの事業ポートフォリオ転換の完遂を目指し、オフィス事業の顧客基盤を活かしたデジタルワークプレイス事業への転換、コニカミノルタの強みである画像IoTを軸とした「計測・検査・診断」領域の成長拡大による、高収益なビジネスモデルへの転換を加速している。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、人々の価値観や行動変容が進むとともに、コニカミノルタを取り巻く事業環境は大きく変貌している。コニカミノルタの中核事業であるオフィス、プロダクションプリント事業の早期立て直しと、利益創出をけん引するインダストリー事業、ヘルスケア事業、産業印刷事業のさらなる強化は喫緊の経営課題であり、中期的な事業ポートフォリオ転換の完遂および短期的な課題の解決を同時に進めるためにも、さらなる「実行力の強化と加速」が必要となる。
2022年度は中期経営計画「DX2022」の仕上げの年であるとともに、次期経営計画の策定年度となる。このタイミングで代表執行役社長を交代し、新代表執行役自らが新たな中期経営計画を策定、コニカミノルタグループ4万人の人財をリードして実行力を最大化することが、当社の企業価値を高めるうえで適切であると判断した。
【指名理由】
コニカミノルタは、実行力の強化と加速により上記で述べた中長期および短期の経営課題を克服するための新しいリーダーの要件として、以下に示す3つを挙げている。
1.グループ4万人すべての自分事化につなげるグローバルコミュニケーション力
2.様々な個の輝きを引き出すエンパワーメント力
3.粘り強さを持ってやり遂げる強固な意志と能力
大幸利充は上記のリーダーの要件を満たしており、特質として「率先垂範」、「傾聴力」、「CoolHead, Warm Heart」が挙げられる。
代表執行役社長の選任にあたっては、指名委員会等設置会社であるコニカミノルタでは、社長後継者計画を指名委員会が監督するプロセスを経て行われた。
1.現代表執行役社長から提出された後継者候補群に対し、グローバル企業の経営人財との対比によるアセスメントを外部機関により実施
2.その結果を踏まえ候補者を特定し、候補者ごとの育成計画の作成を現代表執行役社長に要請
3.育成計画に基づく育成の状況や、指名委員による観察結果を定期的に確認
こうしたプロセスを通じて候補者を絞り込み、最終的に指名委員会として、大幸利充を新代表執行役社長候補とすることを決定し、諮問を受けた取締役会が決議した。
【新代表執行役社長 兼 CEO 大幸利充および執行体制について】
長期ビジョンおよび中期経営計画で描いた事業ポートフォリオの転換を強力に推進し、コニカミノルタを再び成長軌道に乗せることがステークホルダーからの期待であると考えている。
大幸利充は海外現地法人におけるマネジメント経験を含め、当社の主力事業である情報機器事業をリードしてきた。その間、複雑な組織をまとめあげ、既存ビジネスを維持しつつ、新規ビジネスを着実に軌道に乗せた。それに加え、2020年度からは専務執行役として全社経営企画、広報、IRも担当し、長期ビジョンおよび中期経営計画の立案と実行ならびにステークホルダーとのエンゲージメントに注力、全社視点での経営の舵取りに尽力してきた。
新執行体制においてはコニカミノルタの次世代を担う若手人財、技術人財、グローバル人財等、多様性のある人財を積極的に登用し、コニカミノルタの至上命題である事業ポートフォリオ転換を加速させる。
なお、執行役会長は新規事業強化、戦略的アライアンス・M&A、渉外活動などを担当しながら新代表執行役社長をサポートするが、当社の執行に関わる全ての責任と権限は代表執行役社長が有する。
【新代表執行役社長 兼 CEO 大幸 利充からのメッセージ】
代表執行役社長就任の命を受け、職務の重責に身が引き締まる思いです。私は2003年のコニカとミノルタの経営統合以降に役員となり、コニカミノルタの歴史とともに歩んできました。コニカミノルタは社会の変化を先取りし、事業ポートフォリオを変貌させ、多くの社会的価値を生み出してきました。今、再びその変革の中にありますが、技術力を基盤に社会的に意義のある価値を届けるという想いに変わりはありません。
2025年度までに事業ポートフォリオの転換を完遂するとともに、顧客、従業員、地域、株主、取引先など、ステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、対話を通じてコニカミノルタの企業価値を向上させる考えです。コニカミノルタはサステナビリティを強化してきました。「持続可能な社会、誰もが生きがいを持って暮らせる社会の実現に貢献することこそが、企業の持続的成長を可能にする」、すなわち社会のサステナビリティを追求することは、企業のサステナビリティを高めていくことにつながります。
コニカミノルタは、「新しい価値の創造」という経営理念のもと、その時代に求められる新しい価値を追求しながら、社会の要請に応えてきました。2030年より先の社会を読み、コニカミノルタを真の社会課題解決型企業へ変貌させ、再び成長を遂げることでステークホルダーの皆さまからの期待に応えていく所存です。