中谷医工計測技術振興財団、第14回 中谷賞 受賞者を決定

2022.02.28

■中谷賞とは■

医工計測技術分野における技術開発の飛躍的な発展を期し、中谷賞(大賞・奨励賞)を設けて、優れた業績をあげている研究者または独創的な研究をしている研究者を表彰する。

 

この度、令和3年度(2021年度)大賞および奨励賞の受賞者が決定した。

中谷賞 大賞

「化学蛍光プローブの精密開発に基づく、革新的生体・医療イメージング技法の創製」
東京大学大学院薬学系研究科/医学系研究科 教授 浦野 泰照

「個別最適化治療を可能とする医工計測情報の革新的多次元解析技術の開発」
東海大学医学部 教授 後藤 信哉

 

中谷賞 奨励賞

「タンパク質翻訳過程の1分子実時間可視化」
東京大学大学院理学系研究科 教授 上村 想太郎

「AI駆動型の高速細胞形態ソーティング技術群の開発と応用展開」
東京大学先端科学技術研究センター 准教授 太田 禎生

 

 

第14回中谷賞 大賞は、東京大学 大学院薬学系研究科/医学系研究科 浦野泰照(うらの やすてる)教授と東海大学 医学部 後藤信哉(ごとう しんや)教授のお二方が受賞した。
浦野教授は、化学蛍光プローブの精密開発を基に生きている状態で観測対象生理活性分子を可視化する革新的生体・医療イメージング技法を創製。これによりがんが疑われる部位に散布することで可視化が可能となり外科、内視鏡手術をサポートする。
後藤教授は、循環器病と診療、教育、研究と高性能コンピューターの情報工学研究を連成し個別最適化治療を可能とする医工計測情報の革新的多次元解析技術の開発。臨床例から取得した多次元医工計測情報と未来の臨床イベントリスクの定量的相関関係の解明に成功した。

中谷賞 奨励賞は、東京大学 大学院理学系研究科 上村想太郎(うえむら そうたろう)教授と東京大学 先端科学技術研究センター 太田禎生(おおた さだお)准教授のお二方が受賞した。
上村教授は、次世代シーケンサー技術を独自に応用し、タンパク質の翻訳反応の1分子可視化を達成し、リボソームの新しい翻訳メカニズムを解明。あらゆる生命現象の本質を可視化する技術に応用可能で医工学分野への貢献が期待される。
太田教授は、世界初となるAIが駆動する画像情報識別型の高速セルソーターを開発し、その後本技術を基にベンチャー企業を創業し医療診断、大規模創薬スクリーニングや細胞医薬品の品質管理への応用展開を実施した。受賞した教授陣の今後の研究成果を期待している。

また、これからの医工計測技術分野の可能性をより発展させる技術開発や若手研究者の育成などを対象とする各種助成事業に対し、本年度は総額6億87百万円の助成を行う予定だ。

医工計測技術とは

生体、その構成体(分子、細胞小器官、細胞、臓器など)および薬物動態を対象にした計測技術、情報解析技術などに関する研究であり、医療、健康管理、介護などに関して有用な情報を与えるもの。

 

【中谷賞大賞】
1.医工計測技術について優れた業績を挙げ、現在でも活発な研究活動を行っている研究者であること。
2.表彰対象研究分野に関連する学会の会員または大学およびこれに準ずる研究機関に属する者または属していた者。

【中谷賞奨励賞】
1.医工計測技術について独創的な研究をしていること。
2.将来有望な研究者で、原則として応募締切時45歳以下であること。
3.表彰対象研究分野に関連する学会の会員または大学およびこれに準ずる研究機関に属する者または属していた者。

<ご参考>歴代受賞者に関しては下記URLでご確認ください。
https://www.nakatani-foundation.jp/achievements/nakatani_award_achievements_list/

詳細は下記よりダウンロード願います。
★プレスリリース
0224第14回中谷賞決定リリース_final.pdf
★画像一式
受賞者写真一式.zip

一般・読者からの問い合わせ先

中谷医工計測技術振興財団 事務局
https://www.nakatani-foundation.jp