アボット、コンタクトフォースを搭載し、スリット構造がしなる先端電極を採用した初のアブレーションカテーテル「TactiFlex™ SE 」を世界に先駆け日本で発売

2022.08.01

 アボットメディカルジャパン合同会社(本社: 東京都港区、代表執行役員社長 ブライアン・モットーラ)は、2022年8月1日に心房細動を中心とした不整脈に対する高周波アブレーション治療(以下、RF)で使用される「TactiFlex™ SE イリゲーションカテーテル」(製品名、以下TactiFlexSE)を本日より発売することを発表した。本製品は2021年12月に製造販売承認を取得しているとのこと。

TactiFlex™ SE イリゲーションカテーテル(左)と先端電極のスリット構造(右)

 RFは、肺静脈の形状に左右されず、複雑な症例であっても個々の状態に合わせて焼灼を行うことができ、アブレーション治療全体の7 割以上を占めている。RFでは、焼灼時の数ミリのズレが再発に繋がってしまうが、これまでのアブレーションカテーテルの先端電極は、心房内膜の表面で滑りやすく、焼灼部位に固定できる形状が求められていた。また、冷却時のイリゲーションポートが、心臓壁に塞がれてしまう事象などが報告されており、先端電極の改良が期待されていた。

 RF用のアブレーションカテーテルであるTactiFlex SEは、スリット構造の先端電極を採用することで接触抵抗を高め、心臓壁の形状に合わせ先端が柔軟に変形することで、通電箇所にしっかりと固定。冷却時も先端にある4 つのイリゲーションポートに加え、スリット全面よりイリゲーションが流出し効率的な冷却を可能に。また、心臓のモデルを描く3D マッピングシステム「EnSite™X」上で、ContactForce Arrowと呼ばれる矢印により先端電極の接触方向が視覚化され、先端電極の動きを確認することができる。これらの特徴により、医師の効率的なアブレーション治療を支援し、治療時間の短縮、及び放射線量の減少など患者さんの身体への負担を軽減できる。

 東京医科歯科大学病院 病院教授・不整脈センター長の合屋 雅彦 医師は、次のように述べている。「TactiFlex SEは、スリット構造の先端電極により、焼灼面に対して効果的なイリゲーションフローを提供する。また、イリゲーション流量を減らし、患者さんへの負担を軽減させることができる。スチームポップや血栓予防といった点からも、スリット構造とコンタクトフォースの技術の相乗効果で、より安全かつ効率的な治療ができることを期待している。」

アブレーション治療について

心房細動の治療は、主に症状を抑えることを目的とした薬物治療と、根治できる可能性もあるアブレーション治療がある。治療は、カテーテルアブレーションと、バルーンアブレーションに分けられ、カテーテルアブレーションは、高周波で心臓の形状に合わせ点状に加熱し焼灼する。バルーンアブレーションは、加熱と冷却の方法があり、風船が膨らみ触れた箇所を一気に焼灼する。

心房細動について(動画リンク)
https://www.afanswers.com/jp/ja/resources.html

アボットのアブレーション治療の包括的なラインナップについて

アボットは、医師が多様な心疾患および不整脈の診断、治療、管理を行うための電気生理学的なあらゆるソリューションを提供する。不整脈用のカテーテル、アブレーション治療製品、リアルタイムに正確な心臓のモデルを描く3Dマッピングと、不整脈患者さんのケアには、多面的な技術が求められる。アボットは、不整脈の診断、治療および管理に必要な製品について幅広いラインナップを提供し、汎用性と治療の効果について妥協することなく革新的な開発を進めている。

お問い合わせ先

アボットメディカルジャパン合同会社

https://www.cardiovascular.abbott/jp/ja/home.html