ボストン・サイエンティフィック ジャパン、ハイブリットプレスセミナーを開催~日本初‼水蒸気を用いた新たな前立腺肥大症治療デバイス「Rezūm™システム」が販売開始~

2022.09.28

 ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:森川 智之)は9月21日ハイブリットプレスセミナーをオンラインで開催した。『コロナ禍による受診控えの影響と前立腺肥大症治療-日本初となる水蒸気を用いた低侵襲治療法「Rezūm™システム」によるWAVE治療』について講演した。

 講演の中で、高橋 悟氏(日本大学医学部 泌尿器科学系 泌尿器科学分野主任教授)は、「近年のコロナ禍による受診控えにより、前立腺肥大(Benign Prostatic Hyperplasia: BPH(以下BPH))も同様に受診控えによる治療の先延ばし・重症化が起きている。予てより日本は諸外国と比べ、薬物療法の発達により、身体への侵襲性の高いBPHの手術を避けて先延ばしにする傾向にあり、前述の受診控えがその傾向に拍車をかけている。」と語った。

    高橋 悟氏(日本大学医学部 泌尿器科学系 泌尿器科学分野主任教授)

 今回販売が開始された「Rezūm™システム」を使用した経尿道的水蒸気治療(Water Vaper Energy Therapy=以下WAVE)は、低侵襲・短時間の手術を実現し、BPH患者の中でも、①合併症によるリスクのある方や、②手術での身体機能低下の恐れのある方、③高齢や認知機能障害などによって術後せん妄のリスクがある方、④抗血栓薬や抗凝固薬を服用していて休薬が難しい方など、従来の投薬や内視鏡手術等ではリスクの多い方々の治療法として期待されている。

                         Rezūm™システム

 WAVE治療の特徴と流れは、①103℃の水蒸気を肥大化した組織へと噴霧し、瞬時に組織を変性させる(変性した組織は1~3か月で自然に体内に吸収される)。②1回の噴霧時間は僅か9秒で、手術が5~10分程度で完了する。③組織を切ったり焼いたりしないため身体への侵襲性が低く、局所麻酔で実施可能なため、患者も医師も負担が少ない。等が挙げられる。

 現在日本での臨床は行われていないが、既に米国の医療機関15施設による臨床試験によって5年間の治療効果と安全性が示されており、性機能への変化もなく、QoLも45%が改善されたとの臨床結果がある。

 最後に高橋氏は質疑応答にて、「WAVEは従来の内視鏡手術などと比べると即効性には欠けるが、医師も4~5例程度の経験で熟達する低難度の手技で、カテーテルの留置さえできれば入院も必要がない場合がある」と低侵襲な治療方法への期待を述べた。

ボストン・サイエンティフィックについて

ボストン・サイエンティフィックは世界中の患者さんの健康を向上させる革新的なメディカルソリューションにより生活を改善しています。40 年超、グローバルな医療テクノロジーのリーダーとして、患者さんの満たされていないニーズに対応し、ヘルスケアのコストを削減するパフォーマンスの高い広範なソリューションを提供して、生活のためのテクノロジーを発展させています。日本においては、心血管疾患領域をはじめ、不整脈・心不全疾患領域、末梢血管疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、婦人科疾患領域、疼痛管理・パーキンソン病の治療領域で、患者さんの人生を実り多いものにすることに全力で取り組み、日本の医療に意義のあるイノベーションを起こしていきます。

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