キヤノンメディカルシステムズは、2022年12月18日(日)、「画論30th The Best Image」最終審査・結果発表式を開催し、オンライン中継をした。
CT、MR、超音波部門に分かれて応募者が最終審査プレゼンテーションを行い、審査員の先生を交え活発な討議が行われた。
その後、審査員の最終審査を経て各部門の賞が決定された。
各部門の最優秀賞を獲得されたご施設の一覧を以下に掲載する。
さらに「画論30th The Best Image」では特別講演も行われた。
はじめに、奥村 明之進氏(大阪刀根山医療センター 院長)は、
画像診断技術の進歩は肺腫瘍の治療に大きな進歩を
もたらしたと語り、特に近年注目される微細な肺腫瘍や縦隔腫瘍の発見の機会が
増加し、外科手術の低侵襲化が進んでいることに注目したいと述べた。
また、画像の三次元化再構成は手術を安全に行うことに非常に寄与している。気管腫瘍のCT画像の3D再構成は、気管の切除範囲の決定に有効であるとも話した。
同氏は「心膜浸潤を有する胸線腫の画像の三次元化再構成も、右心房の浸潤などを見つけるのに欠かせない。HRCTの画像は、肺疾患の病理・病態の解明に貢献しており、今後さらに重要になっていくだろう」と語った。
奥村 明之進氏(大阪刀根山医療センター 院長)
続いて、天野 篤氏(順天堂大学医学部附属順天堂医院 心臓血管外科 特任教授)は「私の冠動脈バイパス術とそのこだわり」と題して講演を行った。
これからの冠動脈バイパス術は、
・動脈グラフトの有効利用により長期成長成績を改善できる。
・心拍道下冠動脈バイパス吻合と必要に応じた小切開の利用で低侵襲化を進める。
・高齢者に発生しやすい脳梗塞予防のための左心耳切除を加えて遠隔成績向上を目指す。
・術前後の適正な心臓イメージングを活用して合理的な手術を計画する。
同氏は「特に心臓イメージングは高精細3D-CT検査は術後造影のカテーテル検査負担を軽減した。従来の冠動脈バイパス術は患者様に負担がかかり長期間の入院が必要だったが、低侵襲化とCTでの画像診断で負担が軽減し手術が受けられるようになった。また、傷が小さくて済むため、早期退院による社会復帰も可能だ。冠動脈バイパス術式は年々進化をしていき1985年までは全て大伏在静脈グラフトを使用していたが、2001年からは全ての冠動脈、全ての吻合形式に対して心拍動下冠動脈バイパス術で対応を開始している」と期待をにじませた。
天野 篤氏(順天堂大学医学部附属順天堂医院 心臓血管外科 特任教授)
CT
~160列部門
- 藤田医科大学病院
難治性てんかん
Aquilion ONE部門
- 浜松医科大学医学部附属病院
重症下肢虚血(CLI)
Aquilion ONE(心血管)部門 - 磐田市立総合病院
心電図非同期再構成により冠動脈 stent 内評価が可能となった症例
Aquilion Precision部門
- 東北大学病院
大動脈解離に対する胸腹部置換術
MR
1.5テスラ以下(脳神経)部門
- 頭とからだのクリニック かねなか脳神経外科
右椎骨動脈解離疑い(Multi slice T2WI 3D-BPAS)
1.5テスラ以下部門
- 社会福祉法人恩賜財団済生会 支部千葉県済生会 千葉県済生会習志野病院
ステロイド関連性大腿骨頭壊死症
3テスラ(脳神経)部門
- 杏林大学医学部付属病院
右内頚動脈巨大動脈瘤
3テスラ部門
- 順天堂大学医学部附属 順天堂東京江東高齢者医療センター
2D MPRによる子宮頸癌のステージング評価
超音波
血管部門
- 東邦大学医療センター大森病院
要注意プラーク
心臓部門
- 岡山大学病院
マルティモダリティーイメージングにより難治性浮腫の原因を同定しえた1.5心室修復手術後の三尖弁閉鎖症
腹部部門
- 京都第二赤十字病院
中腸軸捻転
乳腺・甲状腺・表在部門
- 川崎医科大学附属病院
動静脈シャントを伴った手指の静脈奇形