がん対策推進企業アクション事務局、がん対策推進企業アクションセミナー開催!~がん対策に意欲的に取り組む企業を表彰、中川恵一氏が職域がん対策の今後について講演~
がん対策推進企業アクション事務局は、2月28日(火)に星稜会館(千代田区)で、今年度がん対策に意欲的に取り組んだ企業を表彰、また中川 恵一氏(東京大学大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授)が「企業アクションの進化と、職域がん対策の今後」と題して講演した。
初めに各企業に対して表彰が行われ、厚生労働大臣表彰最優秀賞を大東建託パートナーズ株式会社が受賞した。大東建託パートナーズではがん対策への取り組みとして、①がん検診の受診率上昇と全員の二次検査受診の継続、②職務と治療の両立を支える社内制度を整備し、従業員・医師・会社の協力体制で就業のサポート、③健康教育を通しての従業員のヘルスリテラシー向上の3つのがんアクションを行っている。
次に中谷 祐貴子氏(厚生労働省健康局 がん・疾病対策課課長)が、「我が国におけるがん対策について」と題してがんの現状等について語った。がんの死亡率や部位別の罹患率、がん対策推進基本計画を踏まえて、がん検診の最近の動向やがん患者の就労の現状を語った。がん検診の受診率は年々上がっている一方、アメリカなどの他の先進国と比較すると未だに低い数値に収まっている。がん対策に関する世論調査では、未受診の理由として「時間がない」「必要性がない」という理由が多数のため、受けやすい環境づくりや啓発が必要であることを述べた。またがん患者の就労の状況に関して、治療技術の進歩によって病気にかかることと離職が直接つながらなくなったことから、がん患者が治療と仕事の両立がしやすい環境整備などに力を入れているとした。
最後に、中川 恵一氏が「企業アクションの進化と、職域がん対策の今後」と題してがん対策推進企業アクションについて語った。講演のなかで、職域がん対策の基本として「早期発見のためがん検診の受診率を上げる」「がんになっても働き続けられる環境を作る」「がんについて会社で学び、正しく知る」という3つを示した。特に職域でのがん検診に関して、定年延長と女性の社会進出を受けて、さらに重要性が増しているとして、その意義を語った。また、中小企業でのがん対策として社員のがん検診受診状況の把握率の低さを指摘し、「把握率を現在の25%から2年後までに70%にする」という今後の展望に触れた。