富士フイルムヘルスケア、前立腺生検の効率化を支援する MRI-USフュージョン前立腺生検システム「ARIETTAアリエッタ65IntuitiveFusionインテュイティブフュージョン」を発売

2023.04.06

 富士フイルムヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 章雄)は、前立腺生検の効率化を支援する MRI-US フュージョン前立腺生検※1システム「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」(アリエッタ 65 インテュイティブフュージョン)※2を本日より発売する。

ARIETTA 65 IntuitiveFusion


 このシステムは、富士フイルムヘルスケアの超音波診断装置「ARIETTA 65」とMedCom GmbH※3(本社:ドイツ連邦共和国ダルムシュタット、以下MedCom社)の「BiopSee ソフトウェア」※4を組み合わせた前立腺生検システムである。装置とソフトを組み合わせることで小型化と高い操作性を実現するとともに、MRI-USフュージョン前立腺生検をサポートする多彩な機能により前立腺生検の効率化を支援する。
 富士フイルムヘルスケアは、4月20日から4月23日に神戸コンベンションセンター(兵庫県)で開催される第110回日本泌尿器科学会総会に本製品を出展する。
 前立腺がんは、2019年の日本人男性における部位別がん罹患数で第一位のがん※5で、今後、高齢化の進行に伴いさらなる増加が見込まれる。前立腺がんの検査では、血液中のPSAという腫瘍マーカーの値を調べるPSA検査に加え、直腸診、超音波検査、MRI検査などが行われ、がんが疑われる場合には確定診断として生検(前立腺生検)が行われる。現在、前立腺生検は、超音波画像下で行われることが一般的だが、病変が小さい場合、超音波画像だけでは見えにくく、病変部への正確な穿刺が難しいという課題があった。このことから、近年、事前に撮影したMRI画像を超音波画像に融合し、リアルタイムに表示させることで穿刺の精度を上げる、MRI-USフュージョン前立腺生検方式への注目が高まっている。
 「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、小型化による省スペース化と高い操作性により、外来診療から、生体モニタや麻酔器などさまざまな機器が置かれ、スペースに制約のある手術室内での運用まで幅広く対応する。またMRI-USフュージョン前立腺生検をサポートする生検事前プランニング機能※6や、生検ガイド機能※6、弾性(Elastic)フュージョン機能※6に加えて、レポート機能※6も備えており、治療計画への応用、治療後のフォローアップやアクティブサーベイランス※7への活用が期待される。今後も富士フイルムヘルスケアは、超音波診断装置のリーディングカンパニーとして、ユーザーにとって使いやすい装置を追求し、多様なニーズに応え、医療の発展と人々の健康の維持増進に貢献していく。

※1MRI-USフュージョン前立腺生検は、前立腺がんが疑われる患者に対し、確定診断として行われる生検方式の一つ。事前に撮影したMRI画像を超音波画像に融合し、リアルタイムに表示させ、超音波画像ガイド下で前立腺針生検を行う。超音波画像のみを参照して行う従来の前立腺生検では病変が見えにくいケースでも、MRI画像を融合した超音波画像を参照することで、その病変をターゲットにした生検が可能となり、がんの検出率を改善することが期待されている。
※2「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、「超音波診断装置ARIETTA 65」に「BiopSeeソフトウェア」を組み合わせたMRI-USフュージョン前立腺生検システムの呼称。
※3MedCom社は1997年に設立され、医療画像分野の製品を開発している。カテーテルを用いた治療であるインターベンションや、外科手術用ナビゲーション、がん治療に重点を置き、革新的で高度な製品を提供。
※4 販売名:「BiopSeeソフトウェア」(医療機器認証番号304AHBZI00023000 号)は、汎用PCにインストールされた状態で超音波装置に搭載される。このソフトは吉田電材工業株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:松本 匡史)が選任製造販売業者である。同社は1940年創業の電気機器・医療用機器のメーカー。
※5 出典:国立がん研究センター 最新がん統計 がん罹患数の順位(2019年)
※6 「BiopSeeソフトウェア」の機能
※7 アクティブサーベイランス(Active surveillance):病気が判明しても治療ではなく経過観察を行い、病状が進行したら必要に応じて手術などを行う治療法のこと。

1. 販売名

超音波診断装置ARIETTA 65 医療機器認証番号:第 230ABBZX00050000 号

2. 発売日

2023年4月6日

3. 主な特長

1.小型化・高い操作性を実現

 「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、富士フイルムヘルスケアの超音波診断装置「ARIETTA 65」とMedCom社の「BiopSeeソフトウェア」を組み合わせた、小型で省スペース設計のMRI-USフュージョン前立腺生検システムである。

 「BiopSeeソフトウェア」の操作や画面表示を「ARIETTA 65」のモニタ上で行えることでスムーズな操作性を実現している。一般的なMRI-USフュージョン前立腺生検システムは、超音波診断装置に加えて独立した専用装置が必要であるのに対し、「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、小型化により限られたスペースにも設置可能。外来診療から、生体モニタや麻酔器などさまざまな機器が設置される手術室内での運用まで対応する。

2. 「BiopSeeソフトウェア」の前立腺生検に対応した前立腺融合穿刺機能を搭載

 「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、MRI-USフュージョン前立腺生検に対応した豊富な機能を搭載している。精度の高い穿刺と正確な組織採取をサポートすることで、前立腺生検の効率化に貢献する。

・生検事前プランニング機能
 MRI画像と位置合わせした超音波画像上に、生検する針の位置を仮想的に設定することで生検の事前プランニングができる。
・生検ガイド機能
 事前プランニングに基づき、プローブ位置の調整や、針の挿入位置をテンプレート座標(穿刺の位置の目安となる碁盤の目状の固定器具の番号)や矢印でガイドすることで、生検をナビゲーションしサポートする。
・弾性(Elastic)フュージョン機能
 剛性(Rigid)フュージョンに加えて、プローブによる加圧などで変形した組織の超音波画像上の輪郭に合わせてMRI画像と位置の補正が可能である。変形による位置合わせを補正することで生検の際に直感的に位置を把握できる。
・レポート機能
 生検した全ての針の位置、表示した2D、3Dの断面画像をレポートとして出力する。また、前立腺生検で採取した組織の病理検査の結果(悪性度の評価指標であるGleasonスコア)も記録することができ、治療計画への応用、治療後のフォローアップやアクティブサーベイランスへの応用が期待される。

3. 経会陰生検に対応

 「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」は、陰嚢と肛門の間(会陰)から針を刺す経会陰生検に対応している。経会陰生検は、肛門から直腸壁を通して針を刺す経直腸生検と比べて出血や感染リスクが少ないと言われている手技である。

お問い合わせ

富士フイルムヘルスケア株式会社
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