富士フイルムヘルスケア、AI技術を活用したノイズ除去技術搭載のハイエンドモデル 超音波診断装置「ARIETTA 750 DeepInsight」発売

2023.04.12

 富士フイルムヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本 章雄)は、AI技術※1を活用したノイズ除去技術搭載の超音波診断装置「ARIETTA 750 DeepInsight」(アリエッタ 750 ディープインサイト)を発売する。「ARIETTA 750 DeepInsight」は、プレミアムモデルの「ARIETTA 850 DeepInsight」に搭載しているAI技術を活用したノイズ除去技術をはじめとする高画質化技術を継承し、臨床領域におけるさまざまなニーズに柔軟に対応するハイエンドモデルの超音波診断装置である。

超音波診断装置 ARIETTA 750 DeepInsight

 超音波診断装置は、非侵襲で、被検者の身体に大きな負担を掛けることなくリアルタイムに体内を画像化することができる。そのため、妊婦健診やがん検診、さらに生活習慣病をはじめとする慢性疾患の診断に欠かせない診断機器として、検診・診断から治療、経過のフォローアップまで幅広い場面で用いられている。

 富士フイルムヘルスケアは、1960年に世界で初めて医用超音波診断装置を開発、2014年には50年以上にわたって培ってきた技術と信頼の実績を集約した超音波診断装置ARIETTAシリーズを発売した。2022年には、AI技術を活用したノイズ除去技術であるDeepInsight技術と、ARIETTAシリーズで培ってきた画像処理技術を組み合わせることでさらなる高画質化を実現した、最上位機種であるプレミアムモデルの超音波診断装置「ARIETTA 850 DeepInsight」とミッドハイレンジモデルの超音波診断装置「ARIETTA 650 DeepInsight」の2機種を発売した。

 今回発売する「ARIETTA 750 DeepInsight」は、「ARIETTA 850 DeepInsight」と「ARIETTA 650 DeepInsight」の間に位置付けられ、DeepInsight技術搭載機種のラインアップを充実させるハイエンドモデルの超音波診断装置である。高画質化技術(Pure Image)と、検査者の負担軽減をめざしたワークフロー改善(Seamless Workflow)、幅広い領域の診断・治療に対応する高度なアプリケーション(Your Application)の3つの製品特長を持ち、各種疾患の早期発見に貢献する。

 今後も富士フイルムヘルスケアは、超音波診断装置のリーディングカンパニーとして、ユーザーにとって使いやすい装置を追求し、多様なニーズに応え、医療の発展と人々の健康の維持増進に貢献する。

1.販売名

超音波診断装置 ARIETTA 750(医療機器認証番号: 第301ABBZX00007000号)

2. 発売日

2023年4月11日

3.主な特長

1.AI技術を活用したDeepInsight技術により検査者・被検者依存の少ない高精細画像を提供:Pure Image

 超音波画像が持つ検査者・被検者依存性、視認性などの課題を解決するために、AI技術を活用したノイズ除去技術DeepInsight技術を搭載している。DeepInsight技術は、これまで判別の難しかったスペックル信号※2と電気ノイズをAI技術の活用により高い精度で区別し、診断に必要な信号からノイズを効果的に除去することが可能な技術である。DeepInsight技術と、これまで同社が培ってきた浅部から深部まで均一で分解能の高い画像を得られる超音波の送受信技術eFocusing PLUSや、臓器等の組織構造の視認性を高めるCarving Imagingなどの高画質化技術を組み合わせることで、さらなる画質の向上と検査者・被検者に依存しない安定した画像の描出を実現し、迅速で正確な診断に貢献する。

2.ワークフローの改善により効率的な検査に貢献:Seamless Workflow

 超音波検査は検査者に負担がかかる体勢で行うことも多く、検査を複数回、長時間続けることによる身体的負担は大きなストレスとなる。検査者の負担低減のため、人間工学に基づいて可動範囲を大きく設計したモニタアームやユーザビリティ(使いやすさ)を追求した操作パネルを採用した。また、検査の手順や撮像条件などを予め登録できるProtocol Assistant機能により、検査の効率化を支援する。さらに手順毎に参照画像を表示できるGuide View機能により、直感的でスムーズな検査が可能である。

3.幅広い領域に対応する高度なアプリケーション:Your Application

 診断から治療まで、幅広い場面において対応できる高度なアプリケーションを搭載している。

(1) 腹部・表在領域
・RTE(Real-time Tissue Elastography)※3、SWM(Shear Wave Measurement)※3
近年、脂肪肝由来の肝疾患が増加しており、肝疾患の早期発見、薬物療法、フォローアップのために非侵襲的な検査手法が求められる。組織の硬さを定量的に評価できるRTEやSWMは、肝炎から肝線維化、肝硬変といった肝疾患の総合的な診断をサポートする。また、乳腺領域においてはRTEによる病変の評価方法として、病変と脂肪のひずみの比(Fat Lesion Ratio)を計測する場合がある。「ARIETTA 750 DeepInsight」は計測に適したフレームを自動で選択するAuto Frame Selectionと、計測に必要なROIの設定を自動で行うAssist Strain Ratioを搭載しており、計測時の検査者依存を低減し、客観性・再現性の高い評価が可能だ。
・iATT(Attenuation Measurement)※3
肝組織の超音波の減衰係数を計測する機能iATTは、肝臓の脂肪化を推定することができるため、RTEやSWMと併用することで肝疾患の早期発見に貢献する。
・RVS(Real-time Virtual Sonography)※3
超音波画像と同期したCT画像やMRI画像を超音波診断装置のモニタに表示することで、超音波ガイド下の治療支援などを行う。

(2) 循環器領域
・2DTT(2D Tissue Tracking)※3
高齢になるほど発症率が高く、生活習慣病との関連性が高い心不全の診断を支援するアプリケーションで総合的な診断をサポートする。入院時や手術前などに病態の把握のために行われるルーチン検査での使用も可能な2DTTは、左室全体または心筋の局所運動を定量化し、心不全診断で注目されている左室機能を評価する指標であるGLS(Global Longitudinal Strain) の算出に寄与する。
・Dual Gate Doppler
2つのサンプルポイントを自動で設定し、同一心拍で2箇所のドプラ波形を同時に評価できる。不整脈のような不規則な心拍のケースにおいても、安定した心拍の区間を自動検出するR-R Navigation機能と併用することで、計測に最適な心拍での心臓計測が可能である。

※1 AI技術のひとつである機械学習を用いて開発・設計したものである。実装後に自動的に装置の性能・精度が変化することはない。
※2 超音波の波長に比べて小さな生体内の無数の散乱体(反射体)群によって生じる散乱波(信号)。
※3 別売オプション。

展示予定

「ARIETTA 750 DeepInsight」を上記の展示会、学術集会で展示する

DeepInsight特設サイト

https://d-insight.fujifilm.com/jp.html

お問い合わせ

富士フイルムヘルスケア株式会社
問い合わせフォーム:https://www.fujifilm.com/fhc/ja/form/products