島津製作所、大阪大学と産学共創で連携推進協定を締結 修士卒を社員として採用、博士課程で共同研究に従事

2023.04.27

 株式会社島津製作所は3月20日に、大阪大学と産学共創を通じた科学・技術力向上や人材育成、社会貢献を目的とした連携推進協定を締結した。同社はグローバルな高度専門人材の育成と採用を目指す「REACHプロジェクト」※1を開始する。

記者会見の様子
(写真左から、大阪大学理事・副学長 田中敏宏、大阪大学総長 西尾章治郎、島津製作所代表取締役社長 山本靖則、島津製作所上席理事/大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所所長 飯田順子)

 島津製作所と大阪大学は2021年4月から同社の技術者・研究者の博士号取得を支援する「REACHラボプロジェクト」を進めてきた。大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所に設けた「REACHラボ」に、社内公募した社員を2~3年間派遣している。島津製作所が注力する分野における卓越した研究者の下で博士後期課程学生として共同研究に取り組む。現在、同社社員7人が「核酸医薬品の分析」や「計測インフォマティクス」「抗体医薬」「メタボロミクス」などの研究に携わっている。

 今回、人材の獲得と社会実装を推進するリーダーを育成するため、「REACHラボプロジェクト」を「REACHプロジェクト」に発展させる。大阪大学大学院の学生を修士課程修了時に同社で採用し、博士後期課程に社員として派遣し共同研究に従事させる。REACHラボプロジェクトで同社社員を派遣している研究室において、島津製作所への就職を希望し、指導教員の推薦を受けた学生が対象となる。学費は同社が負担し、給与や福利厚生を含めて支援する。REACHプロジェクトに合わせて、5月に大阪大学IoC※2プラザの新棟に協働研究所を移転し、分析機器室や前処理室などを拡張する。また、対象研究の範囲を従来の理系から、文理融合分野、人文社会科学系へも広げる。同プロジェクトは、新中期経営計画で取り組む人材戦略「高度専門人財(博士、スペシャリスト)育成プログラムの推進」の一環だ。

 島津製作所は2015年に大阪大学と共同研究講座を開設している。同共同研究講座を発展的に解消し2019年に「大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所」を設立した。同社は、大阪大学との連携を通じて、「科学技術で社会に貢献する」人材の育成に取り組んでいく。

※1 REACH =Recurrent & Re-skilling Academia and Industry Collaboration for Higher Education 
※2 Industry on Campus、Internship on Campus

お問い合わせ

島津製作所 https://www.shimadzu.co.jp/