キヤノンメディカルシステムズ、「令和5年度全国発明表彰」の「発明協会会長賞」を受賞

2023.06.01

 キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社:栃木県大田原市、代表取締役社長:瀧口 登志夫氏、以下 キャノンメディカルシステムズ)は、令和5年度全国発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において、「心臓血管内治療中における治療用器具の表示方法改善の発明」(特許第5523791号)が「発明協会会長賞」および「発明実施功績賞」を受賞した。特別賞以上の受賞は、キャノンメディカルシステムズとしては初の3年連続受賞となる。

 全国発明表彰は、日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に、公益社団法人発明協会が多大な功績をあげた発明を表彰するものである。本発明を適用したアンギオワークステーションを使用することで治療器具の視認性が向上し、治療器具を精度良く留置することをサポートする。Dynamic Device Stabilizer(DDS)という名称で実装され、治療成績の向上、治療難度の低下による血管内治療の普及、患者や医療従事者に優しい治療に寄与し、医療の発展に大きく貢献している。

受賞した発明の概要

 本発明は、心臓治療を支援する画像処理技術に関するものである。世界の死因の約2割を占める虚血性心疾患では、狭くなった心臓血管を内側から広げる血管内治療が主流である。この血管内治療は患者の負担は小さい反面、拍動する心臓の治療箇所に治療器具をミリ単位で精度良く留置することが求められ、高度な技量を要するという課題があった。

 本発明では、治療箇所のX線画像を連続的に取得し、画像上で動く治療器具を画像毎に認識・検出し、治療器具が画像間で同じ位置になるように動き補正を行い、強調・拡大して即時動画表示する。つまり、実際は心臓とともに動き続ける治療器具が、医師が観察する画像では静止しているようにリアルタイム動画表示される。これにより、治療器具の視認性が向上し、留置精度の向上が期待される。

治療箇所へ精度の良い留置が求められる
心臓血管における従来の表示(左:治療器具が動く且つ不明瞭)と本発明の表示(右:治療器具が静止する且つ明瞭)
IVR(血管内治療)をサポートするX線アンギオグラフィシステム

受賞および受賞者

発明協会会長賞

・坂口 卓弥氏(キヤノンメディカルシステムズ株式会社 研究開発センター 臨床応用研究部 部長)
・南部 恭二郎氏(元東芝メディカルシステムズ株式会社)
・竹元 久人氏(キヤノンメディカルシステムズ株式会社VL事業部 VL マーケティング&プロモーション部VLアップストリームマーケティング担当 グループ長 )

発明実施功績賞
・瀧口 登志夫氏(キヤノンメディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長)

お問い合わせ

キヤノンメディカルシステムズ株式会社 広報室

Tel:0287-26-5100