キヤノンメディカルシステムズ株式会社は5月30日に救急医療におけるアンギオCTおよび新しいソリューションに関する説明会をステーションコンファレンス東京都千代田区で開催した。
はじめに、布施雅啓氏(キヤノンメディカルシステムズ株式会社ヘルスケアIT事業部長)が、「キヤノンメディカルはキヤノンの成長領域であるメディカル事業の主軸を担うべく様々な取り組みを行ってきた。この取り組みの成果として、またキヤノンメディカルが救急の現場をITの力で支援したいという強い思いのもと、Abierto Cockpit for ERを開発した」と述べた。
さらに同氏は、「2023年6月に販売を開始する急性期医療情報統合ビューアAbierto Cockpit for ERは、重症患者の対応で混沌とした救急の現場の中で、患者情報見落としや情報共有の遅れといったリスクを防ぐため、血液検査結果自動読み上げ機能、各種トレンド表示、バイタルサインの異常アラーム等の機能によって医療情報を統合し、課題を解決する新しいソリューションだ」ともつけ加えた。
続いて、中森 靖氏(関西医科大学総合医療センター救急医学科教授)は、「重症外傷の死亡要因である脳挫傷などの脳死や、肝臓破裂などの失血死を減らすために、様々な病院到着後の時間短縮が図られている。しかしながら、従来のCT撮像に20分使うと救急は間に合わず、確定診断なしで手術をすることを迫られる。ドイツではわずか5分でCTが撮れるが、その場では手術が出来ない為間に合わない場合がある。だがハイブリッドERなら、CTが迎えに来たらその場でカテーテルも手術も受けられる、究極の外傷初期診断室になるだろう」と意気込みを語った。
さらに同氏は、「鈍的重症外傷の治療成績を、従来型治療室とハイブリッドERで比較したところ、ハイブリッドER導入だけでは救命率が向上せず、一定のトレーニング期間後に救命率が向上した。従来初療室であれば命がけの作業であっただろうCT撮像やECMO導入もハイブリッドERではCT撮像とX線透視を使用して安全に診断と治療を行うことで救命しあえた」ともつけ加えた。
お問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ株式会社 広報室
Tel:0287-26-5100
関西医科大学総合医療センター救急医学科
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