AeroDR <カセッテ型デジタルX線撮影装置>

2011.07.05

4月に販売を開始したAero(エアロ)DRは、既に40以上の施設に採用されている。今後は車載での活用も検討している。

  

 

ワイヤレスタイプで最軽量の2.9kg!

 内蔵バッテリーを含め2.9kgと、ワイヤレスタイプのDRとしては世界最軽量を実現。パネル筐体にカーボンファイバーを使用することで、軽量でありながら荷重や衝撃に強い、堅牢性の高いパネルとなっている。
 無線対応のワイヤレスタイプのため、ケーブルなどがなく使い勝手が良い。

自社開発のCsIシンチレータで、CRの約半分のX線照射量で高画質!

 AeroDRでは、自社開発のヨウ化セシウム(CsI)シンチレータ(蛍光体)を使用することで、CRの約半分の低線量を実現している。これは、保護膜を介さずにCsIシンチレータをTFTセンサーパネル上に直接接触させる直接貼りあわせ技術を採用しており、シンチレータで発した光をTFTとの接触面で拡散させることなくフォトダイオードまで導くことが可能となった。この新しい構造と優れた柱状結晶成長技術により、AeroDRでは高いDQE性能を達成している。このため、低被ばくでも高画質の画像が得られる。

バッテリーにはリチウムイオンキャパシタを採用

 内蔵バッテリーには業界では初のリチウムイオンキャパシタを採用。リチウムイオン二次電池と比較して安全性が高く、過充電や落下衝撃による発火の心配がない。約30分でフルチャージが完了する高速充電ができる。また、3分間の充電でも10数枚の撮影が可能で、震災のような緊急時にも即時対応が可能となる。さらに、充放電を繰り返しても劣化しにくい長寿命のためバッテリー交換の必要がなく、交換の手間とコストがかからない。

省電力設計

 高画質・高速処理の実行には相応の消費電力が求められることとなるが、AeroDRは省電力設計を実現。画質を左右する重要部品でありながら消費電力が高いReadout ICの省電力設計に成功、また無線LANモジュールやCPUの省電力駆動の採用、センサー部への電力供給を維持したまま、その他の部品への電力供給をストップする「センサーオン待機」の実現など、高画質・高速処理を維持したまま大幅な消費電力の削減を達成している。
 これにより、フル充電では2時間で120枚の撮影が可能。パネル電源を入れたまま14時間待機させた後でも、10枚程度の撮影が可能である。

既存の撮影台にそのまま使用可能

 AeroDRはX線撮影用カセッテのサイズを規定したISO4090(国内対応規格:JIS Z 4905)に適合しているため、既存の撮影台にそのままセットすることができる。これにより、コストを抑制しつつX線画像システムのDR化が可能となる。
 また、ローミング技術の採用により、1枚の「AeroDR」を複数のX線撮影室で共通に使うことができる。さらに、パネルを複数枚導入した場合にはバックアップ運用が行えるなど、安心で効率的な作業環境を低コストで実現可能なシステムとなっている。

  

AeroDR本体とクレードル

AeroDR本体パネル

CRの約半分のX線照射量で高画質!

立位撮影台との組み合わせ

寝台との組み合わせ