2012年12月16日に東京にて開催された第10回DIRECT研究会参加レポート」の参加報告を、堀川雅弘先生にご執筆いただきました!
hands onの様子
防衛医科大学放射線科
堀川雅弘
はじめに
この度、縁あって第10回DIRECT研究会に参加する機会を得たので報告したい。DIRECT研究会は「Diagnostic and Interventional Radiology in Emergency,Critical care, and Trauma」の頭文字から名付けられた、文字通り救急・外傷をtargetにした画像診断・IVRの研究会である。今回で第10回との事だが、多くの放射線科医・IVRistにとって未だ聞き慣れない研究会ではなかろうか。それもそのはず、2011年7月に第1回が行われたばかりで、かつ過去の会の多くは救急医学系の受講者を主に開催されており、筆者がその存在を初めて耳にしたのはRadFan 2012年12月号の第8回のレポートであり、参加するのは「Trauma IR forInterventionalists」と銘打たれた今回第10回が初である。しかしながら、コアメンバーを見れば済生会横浜市東部病院救命救急センターの船曵先生が主催で、聖マリアンナ医科大学救命救急センターの松本先生や北里大学救命救急センターの樫見先生等放射線科でトレーニングを積んだ救急医(もしくは救急で活躍する放射線科医)に加え、今回の世話人である国立病院機構災害医療センター放射線科の服部先生等外傷診療に長けた放射線科医が脇を固めている。平均すれば約2ヶ月に1度と驚異的ペースで行われている事を考えるとactiveな研究会である事は請け合いであり、参加前から期待感は高まる。
熱意溢れるDIRECT研究会
そして、当日。クリスマスを1週間前に控えてはしゃぐ多くの家族連れに混じり日曜朝のお台場に向かうと、会場には南は愛媛〜北は青森まで全国から参加者40人。聞く所によると救急医6割・放射線科医4割との事だが、その大部分は卒後約10年目以下の若手で、会場に満ちる「何かを学んでやろう」というテンションの高さは休日のお台場の浮かれたテンションの高さを遥かに凌駕していた。
注目の内容であるが、神戸大学放射線科・血管内治療センターの井戸田先生によるJATECに基づいた外傷初期診療を短時間で総ざらいする事から始まり、前災害医療センター放射線科の桑原先生による外傷起因の凝固障害のレクチャーで重傷外傷の病態的難解さを考察した後に、今回observerとして参加した東京医科歯科大学救命救急センターの村田先生による第一線の外傷外科が行うdamage control surgeryのレクチャーへと進む。外傷外科の進歩の歴史の一方で未だに厳しい現状を知らしめられ、だからこそ時間勝負の外傷治療のcontextの中で外科的治療・IVRを上手くhybridさせていかなければならないという機運が高まった所で、お昼休憩。ここで一息と思いきや、流石は体力勝負の救命救急よろしく、ランチョンの某社によるcoilの説明からすかさず災害医療センター放射線科服部先生によるcoil塞栓法レクチャー、そしてお待ちかねのhands onへと繋げる一連の流れは見事で、まさにDIRECTセミナーの名にふさわしいものであった。
堀川雅弘
はじめに
この度、縁あって第10回DIRECT研究会に参加する機会を得たので報告したい。DIRECT研究会は「Diagnostic and Interventional Radiology in Emergency,Critical care, and Trauma」の頭文字から名付けられた、文字通り救急・外傷をtargetにした画像診断・IVRの研究会である。今回で第10回との事だが、多くの放射線科医・IVRistにとって未だ聞き慣れない研究会ではなかろうか。それもそのはず、2011年7月に第1回が行われたばかりで、かつ過去の会の多くは救急医学系の受講者を主に開催されており、筆者がその存在を初めて耳にしたのはRadFan 2012年12月号の第8回のレポートであり、参加するのは「Trauma IR forInterventionalists」と銘打たれた今回第10回が初である。しかしながら、コアメンバーを見れば済生会横浜市東部病院救命救急センターの船曵先生が主催で、聖マリアンナ医科大学救命救急センターの松本先生や北里大学救命救急センターの樫見先生等放射線科でトレーニングを積んだ救急医(もしくは救急で活躍する放射線科医)に加え、今回の世話人である国立病院機構災害医療センター放射線科の服部先生等外傷診療に長けた放射線科医が脇を固めている。平均すれば約2ヶ月に1度と驚異的ペースで行われている事を考えるとactiveな研究会である事は請け合いであり、参加前から期待感は高まる。
熱意溢れるDIRECT研究会
そして、当日。クリスマスを1週間前に控えてはしゃぐ多くの家族連れに混じり日曜朝のお台場に向かうと、会場には南は愛媛〜北は青森まで全国から参加者40人。聞く所によると救急医6割・放射線科医4割との事だが、その大部分は卒後約10年目以下の若手で、会場に満ちる「何かを学んでやろう」というテンションの高さは休日のお台場の浮かれたテンションの高さを遥かに凌駕していた。
注目の内容であるが、神戸大学放射線科・血管内治療センターの井戸田先生によるJATECに基づいた外傷初期診療を短時間で総ざらいする事から始まり、前災害医療センター放射線科の桑原先生による外傷起因の凝固障害のレクチャーで重傷外傷の病態的難解さを考察した後に、今回observerとして参加した東京医科歯科大学救命救急センターの村田先生による第一線の外傷外科が行うdamage control surgeryのレクチャーへと進む。外傷外科の進歩の歴史の一方で未だに厳しい現状を知らしめられ、だからこそ時間勝負の外傷治療のcontextの中で外科的治療・IVRを上手くhybridさせていかなければならないという機運が高まった所で、お昼休憩。ここで一息と思いきや、流石は体力勝負の救命救急よろしく、ランチョンの某社によるcoilの説明からすかさず災害医療センター放射線科服部先生によるcoil塞栓法レクチャー、そしてお待ちかねのhands onへと繋げる一連の流れは見事で、まさにDIRECTセミナーの名にふさわしいものであった。
※続きは「Rad Fan2013年2月号」(2013年1月末発売)にてご覧下さい。