2014年9月14 〜17日まで、Moscone Center(カリフォルニア州サンフランシスコ)で開催された第56回米国放射線腫瘍学会(ASTRO)を、県立広島病院放射線治療科の西淵先生にご執筆頂きました!
ASTRO 2014参加レポート
県立広島病院放射線治療科
西淵いくの
はじめに
2014年9月14 〜17日まで、カリフォルニア州サンフランシスコMoscone Centerで開催された第56回米国放射線腫瘍学会(ASTRO)に参加した(図1)。相変わらずの残念な英語力で、スライドを読むのが精一杯のため、あまり学術的な参加レポートにはならないと思われるがご容赦願いたい。
私が初めてASTROに参加したのは、広島大学に入局した2009年で、この年のASTROはシカゴで開催された。広島大学では入局した年に、入局のご褒美(?)として連れて行ってもらえるのである。それまで地方会にしか参加したことがなかった私には、会場の広さ、参加者数の多さ、セッションの豊富さ、全てが衝撃だった。内容はさっぱり覚えていないが、ジョン・ハンコック・センターからみた夜景が息を呑むほどきれいだったことは覚えている。そして、英語のポスターの前に立っている、見慣れたはずの先生方がなんだかかっこいいのである。先生方の写真を撮りながら、次は自分もと思い、それ以降、毎年チャレンジし続けている。さて、私事ではあるが、晴れてこの9月に大学院卒業が決まり、この数年間、常に心のどこかにつかえていた重しが取れ、今年はうきうきとサンフランシスコに出発した。今回は西海岸で、乗り継ぎもなく、前日の昼には到着した。毎年、国内線を乗り継ぎ、夜遅くに現地に到着していたため、翌日からが非常にきつかったのだが、おかげで今年は到着日にサンフランシスコを満喫できた(図2)。快晴のサンフランシスコは非常に気持ちよく、今の私の心情には打ってつけで最高な場所であった。
Presidential
Symposium
今回のテーマは乳癌で、興味があったセッションの一つである。“Local-Regional Management of Breast Cancer: A Changing Paradigm”ということで、温存術後の乳房照射の方法から領域照射の適応まで、現在の乳癌に対する放射線治療のトピックスが網羅されており、大変勉強になっ
た。個人的には、術前化学療法後のcN+/pN0乳癌に対するリンパ節領域への照射の適応やセンチネルリンパ節陽性例に対する至適照射野についての話が興味深かった。また、サブタイプを反映した放射線治療の可能性についても触れられており、化学療法同様、サブタイプを加味して、放射線治療の適応や線量、照射範囲などを決定するような時代がいつか来るのだろうかと思った。
図1 Mosone Center
図2 ゴールデンゲートブリッジ
続きは「RadFan」12月臨時増刊号(2014年12月10日発売)にてご高覧ください。