「加齢画像研究会 臨床解剖研究会共催学術集会 参加印象記」を曽我茂義先生(防衛医科大学校放射線医学講座)にご寄稿頂きました!
はじめに
2017年10月21日に国際医療福祉大学三田病院にて行われた加齢画像研究会第6回学術集会は第21回臨床解剖研究会共催学術集会 に参加した。
当番世話人の国際医療福祉大学三田病院放射線診断センター奥田逸子先生のもとで「見たいを診る」をテーマとして、放射線科のほか、形成外科、美容外科、外科、泌尿器科、解剖学の医師のみならず工学者など多様なスペシャリティが一堂に会した。
〇〇の画像診断とか△△のIVRなど高い専門性に特化した普段の学会とは異なり、加齢やアンチエイジングに関わる画像研究のみならず、極めて詳細なリンパ管解剖の研究、VRやAR画像の臨床活用、人工知能など想像を超える幅広いトピックが目白押しであった。現状ではまだ小さな研究会ではあるが、こういったところから新たな学問が誕生するのだろう、と感じさせる研究会であった。限られた字数の中、すべてをご紹介することができないのが残念だが以下に、個人的に特に興味深かったセッションを中心に報告させていただきたい。
加齢画像研究
1. 顔面加齢のCT・MRI診断(図1~3)
この会を立ち上げられた奥田先生の講演で、加齢による顔面の変化を画像診断で評価するという奥田先生のこれまでの研究成果をまとめて学ぶことができた。表情筋やSMAS(顔面皮下の薄い膜状組織で、顔の構造を支える)など顔面の加齢をCT画像や屍体画像を交えて示されていたが、例えば目の下のたるみの原因となる眼輪筋の骨付着形態の加齢変化や、頬のたるみの原因となるSMASの菲薄化や頬の脂肪の下垂を、画像データを用いて明らかにされており、RSNAでも脚光を浴びた研究である。治療の面でも、SMASに超音波をあてる治療を行うことで、SMASの菲薄化が改善した例が提示され、新たな治療への可能性も示されていた。また仰臥位と立位を比較することで、重力による目尻や頬、口角の下垂、ほうれい線の変化への影響を画像で解析されていた。ごく最近、慶應大学で立位CTが稼働を始めているが、こうした加齢画像研究にも最適と思われ、今後も注目が高まりそうである。
★続きはRadFan2017年12月号にてご覧ください!