「第57回日本核医学会学術総会に参加して」を東野 博先生(医療法人松山ハートセンターよつば循環器科クリニック放射線科)にご寄稿頂きました!
はじめに
第57回日本核医学会学術総会に参加させていただいた。
今回は第37回日本核医学技術学会総会学術大会だけでなく、第12回アジア・オセアニア核医学会学術会議および第7回アジア核医学技術学会国際会議との併催であり、大規模な学術集会であった。
展示会場も44展示と多くの出展があり、各ブースからは日本語だけでなく英語の議論も聞こえており、さっそく国際色豊かな印象を受けた。
ただ出展数の割にはスペースが狭いかなと感じた。ドリンク休憩コーナーもすぐ満席だった。
4学会合同プログラムは大変充実していた。
井上登美夫(横浜市立大学)先生の会長講演に始まり、天野之弥(国際原子力機関(IAEA)事務局長)先生の特別基調講演、AOCNMB/ARCCNM/ASNMシンポジウム「Nuclear Medicine of Asian Countries」、さらにはIAEAジョイントシンポジウムではLearning Objectivesとしてあげられていた「1. Understand heterogeneity of nuclear medicine practice in different continents in view of trends.」が重要なことだと理解できた。
最初に参加費が高額だなと感じたのは私だけではあるまい。その費用に見合っただけの勉強をしなければならないという意欲は大いに高まったわけであるが、合同プログラムを聴講できただけでも参加費以上の値打ちはあったと思う。
著者の専門である心臓核医学の領域は私見ではあるが盛況であった。
一般演題ポスター 心臓・大血管セッション(日本核医学会プログラム)では、小山恵子(群馬県立心臓血管センター)先生らによる視覚的評価とソフトウェア評価の比較に関する演題が発表され、今はまだソフトウェア評価に課題は残っているが、逆に課題は分かってきているわけであり、克服される日は実は近いのではないか、と感じた。人工知能(Artificial Intelligence: AI)のことを核医学診断医はもう少し考えた方が良いのでは?
渡部笑麗(愛媛大学)先生らによる心房細動患者におけるF-18 FDG心集積についての発表は、PET検査に関わるすべての放射線科医が知っておくべき新しい知見と感じた。
鹿島文(松山ハートセンターよつば循環器科クリニック)先生らによるアデノシン負荷心筋血流イメージングにおける心拍数増加反応に関する発表では、アデノシン負荷の前処置の重要性が研究の前提であることが示されていた。
★続きはRadFan2017年12月号にてご覧ください!