関西大腸CTセミナー2018参加レポートを星野好則先生(医療法人明星会星野胃腸クリニック)にご寄稿頂きました!
はじめに
関西大腸CTセミナー2018に参加させていただいた。大腸CTセミナーは大腸CT検査の知識の整理および技術のボトムアップを目指すとともに、世界における大腸CTの現状や今後の展望など、大腸CT検査に関するエッセンスをコンパクトに凝集させたセミナーである。本セミナーは株式会社日立製作所ヘルスケアビジネスユニット、堀井薬品工業株式会社、株式会社AZEの共催のもと、快晴の大阪で開催された。
前処置・腸管拡張
まず、清水徳人先生(医療法人まつおかクリニック放射線科)からの大腸CT検査を行う上での諸注意や設備に関する講義が行われた。大腸CT検査では前処置や体位などの条件設定によって画像の質が大きく異なることから、大腸CT検査で非常に重要な位置づけを占める。大腸CT検査前の前処置として下剤服用は高張法、準高張法、等張法に分類され、徐々に下剤内服量が多くなる。高張法では残渣が、等張法では残液が多く残ることから、それぞれ偽陽性が多くなる、ブライドエリアが広くなるという問題がある。また等張法では下剤内服量が増えるという問題もある。大腸CT検査では経口造影剤の内服を行うことにより腸管内の残渣や残液を造影剤で白く描出させ、標識(タギング)させることによって病変との区別を行うことが重要である。現在の臨床研究では、ポリエチレングリコールを用いたPEG-C法と低用量のPEG−CM法は精度検証がされており、これに基づいて各施設で工夫と取り組みが行われている。
腸管拡張も画像に影響を与える要素である。受診者が緊張し、腹圧が上がらないようなコミュニケーションを行い、左下腹部を圧迫・マッサージを適宜行うことによって深部への炭酸ガスがスムーズに得られるように工夫をする。送気量は1体位1,600mLを目安に送気を行い、腸管内圧が一定したタイミングで撮影を行う。拡張が得られない場合は体位変換などの工夫を行うが、無理に過送気をおこなわないことも安全を確保するためには重要であることが再確認された。撮影は2体位を基本とし、16列以上のMDCTで撮影を行う。鎮痙剤は必ずしも必要ではない。できる限り低線量・低被ばくでの撮影を心がける。
★続きはRadFan2018年4月号にてご覧ください!