第2回PACS Innovation研究会見聞記

2011.09.22

第2回PACS Innovation研究会見聞記

別府リハビリテーションセンター
末吉聖二

2002年の厚生労働省より「診療録等の保存を行なう場所について」が通知され、一定の基準の下では作成した医療機関等以外の場所における外部保存が認められるようになった。利点として、①施設間情報共有、②保存スペースの確保、③堅牢性の高い保存場所の確保などあげられる。一方で、①外部保存システムに関わる場所・保存機器・システム・通信技術・その他を全て自施設で管理、②情報漏洩の危険性、③リスク発生時の責任所在明確化、④外部保存データ流用への危惧その他、問題も山積みであった。
2010年に厚生労働省通知の「診療録等の保存を行なう場所について」により民間事業が運営するデータセンターへの外部保存が可能となり、データ保存の考え方や安全性について選択できる手段が多様化してきた。本年3月の大規模災害を背景として、サーバマシン自体の保存性・冗長性は元より、データ保存手段の重要性がより求められるようになった。また近年、外部保存データのクラウド運用技術やTablet PCの汎用性により、医療現場においても応用されるようになった。
そのような背景の中で、我々が電子カルテ・看護支援システム・PACS・リハ支援システム・調剤システム・検査システム・給食システム・レセコン・財務システム等を単独的にあるいは包括的に構築する機会が増えてきた。IT業者に情報提供を頂く際や関係書物で情報収集を行なう際に、様々なIT専門用語が飛び交い頭を混乱させる場面に多々直面する。しかも、頻繁に出現し馴染みのあるIT用語ではなく、「Cloud computing」、「Thin client」、「Virtual client」…他、馴染みのない用語や理解できているつもりでも正確に説明できる自信のない用語が横行し現場を困惑させている。
第2回PACS Innovation研究会メインテーマは、そのような現場の悩みをリアルに反映した「Tablet PCを用いたPACSシステムの今と展望」とされ、施設の電子カルテ委員会事務局を務める筆者は躊躇なく参加を決意した。

図1 湯布院全景、「ゆふいん七色の風」中央

 

 

 

続きは「RadFan11月号」(2011年10月31日発売)にてご高覧ください。