RSNAやChicagoについて、酸いも甘いも知り尽くしているのが“RSNAの達人”。
田中 功先生(東京女子医科大学東医療センター)に貴重な体験談、覚えておくと便利な知識・情報をご寄稿いただきました。
現地に向かう方はもちろん、今後予定されている方は是非ご一読を!
・今でも忘れられないRSNAの思い出
今回、Scientific posterとEducation exhibitsの各1演題が採択されRSNA2012に参加することになった。2003年にRSNAに初めて参加して以降、5回目の参加となるが、発表する演題もなく初めて参加した2003年のRSNAが今でも忘れられない。この時にシカゴで会った診療放射線技師は皆acceptされた演題を手に堂々と学会に参加していたが、当時の環境に甘んじていた私はとても不甲斐ない思いをしたことを今でも鮮明に覚えている。
・RSNAに参加するメリット
RSNAに参加するメリットは様々あるが、海外の著名な研究者の発表や教育講演を拝聴できることが最大のメリットであると感じている。これにより、今後の研究課題のヒントを得ることができ、新たな研究の方向性を確認することができる。
・体験したトラブル
RSNAでは様々なトラブルに見舞われているが、最大のトラブルはRSNA参加4回目に某社の講演会後のパーティーで財布を紛失したことである。RSNAにも慣れた時期でありクレジットカードなど財布の中身を整理せずにいたため、その夜は日本へのカード停止の手続きで夜が明けてしまった。今後は、財布の中身を最小限にしなければと痛感した。
・先生にとって、RSNAとは?
RSNAで研究成果を発表するためには、英語という高いハードルがある。通常、国内の学会において英語力は問題とならないが、国際学会においては相応の英語力が必要となる。RSNAに参加することにより、己の英語力の無さを痛感すると同時に、今後の目標設定になる良い機会である。
・RSNAに演題登録をする際に気を付けるべき点
RSNAのホームページから類似した過去の抄録を参考にして、Scientific secessionではあまり結果を詰めすぎず、かつ具体的な数値などを記載することを心がけ、Education exhibitでは発表目的の要旨をコンパクトにまとめ、査読者の印象に残るような抄録の構築になるよう気を付けている。
・ポスター発表の際に注意すべき点
過去のRSNAの発表では、ほとんどが紙のポスターを開催当日までに貼り、終了後必ず各自で回収をしないとペナルティーが課せられていたが、現在ではほとんどが電子ポスターでの発表となっている。電子ポスターでは1枚のスライドに多くを詰め込んでしまいがちだが、多くを詰め込まずに大きく分かりやすく掲示することが受賞に向けたポイントであると感じている。
・おすすめ観光スポット
シカゴには多くの美術館があるが、特におすすめの美術館はシカゴの中心部にある美術館である。全米3大美術館と言われるだけあり、素晴らしい絵画や美術品がとても充実している。RSNA開催時期はちょうどクリスマスシーズンであり門番をしているライオンがクリスマス風に衣装替えし出迎えてくれる。注意点としては丸1日費やす覚悟でないと全てを鑑賞できない点であろう。
・おすすめレストラン
私のおすすめレストランは、プライムリブステーキで有名なLawry’s The Prime Ribである。シカゴのステーキと言えば硬くてパサパサの印象があるが、このレストランのステーキは、最初は食べきれないと感じる大きな肉が気付けばぺろりと食べてしまうほど、肉が口の中でとろけるようなまろやかな食感と満足感が味わえる。