世界最大規模の放射線医学会が幕を開けた。RSNA 2014(第100回北米放射線学会)が11月30日(日)、米国イリノイ州シカゴ市のマコーミックプレイスで開幕した。12月5日(金)までの6日間、放射線医学の研究者らが一堂に会し、大会テーマ「A Century of Transforming Medicine」のもと、開催100回目の節目を迎えたRSNAのこれまでを、そして次の100年を見すえた技術革新のいまを体験し、議論を重ねる。新しいRSNAの歴史が始まった。
初日の30日は午前8時半からArie Crown TheaterでOpening Sessionが行われた。American Association of Physicists in Medicine(APPM)のJohn E. Bayouth, Ph.D.会長や、Chicago Radiology SocietyのAlexander J. Nemeth, M.D.会長があいさつ。表彰式に続き、RSNAのN. Reed Dunnick M.D.会長のPresident’s Addressが行われた。テーマは「Reflect on the Past, Prepare for the Future」。1985年のレントゲンによるX線発見に始まる放射線医学の歴史や、RSNAの変遷を紹介した。
RSNAの会員数は現在54,290を数える。最多の北米38,579に続き、欧州6,798、アジア3,782、南米3,459、オーストラリア838、アフリカ834。世界の放射線医学をリードするRSNAの強みは、ネットワークの多様性だ。
同氏はRSNAの100年に渡る歴史を紹介するなか、CTやMRIなどの技術が医学の進歩に大きな影響を及ぼしたと指摘。モダリティ開発の重要性を強調した。
同氏は「今回、RSNAは創立100周年を迎えた。世界中のリーダーと企業が、ここシカゴに集まり、新しい技術を知り、体験しようとしている」と述べ、「過去に学び、未来に備えることが重要だ。思考は推進力を生む。その機会をRSNA 2014で提供したい」と意欲を示した。
続いて行われたSpecial Lecutureでは、National Institutes of Health(NIH)のFrancis S. Collins, M.D., Ph.D.が、「Exceptional Opportunities in Biomedical Research」をテーマに講演。バイオメディカル研究における脳イメージングの詳細を紹介し、放射線医学が同研究の進展に大きく寄与していると指摘した。