【RSNA2015 Realtime Report】山田謙太郎先生(防衛医科大学校)

RSNA2015 Report:RSNA Realtime Report
2015.12.01

山田謙太郎先生(防衛医科大学校放射線医学講座)からRSNA2015の参加レポートを頂きました。

防衛医科大学校放射線医学講座
山田謙太郎

【IVR】
Interventional Series:Venous Diseaseのセッション内
RC214-10 BRTO-What Is It and When Should It Be Done
Wael E.Saad.

 米国のBRTOの大家であるDr.SaadによるBRTOに対する解説。ただしBRTOのみならず、様々なタイプの胃静脈瘤に対するinterventionでの治療戦略を概説していた。別の発表でもあったが、待機的胃静脈瘤に対してBRTOの有効性がTIPSを上回る旨が強調されていた。もちろん米国の施設なので出血を来している急性期の症例はTIPSを選択している様子。既にDr. Saadにより論文化されているが、balloonのover night留置により病院のリソースが多く費やされるというデメリットが述べられ(長時間安静による病床占拠、ナース等による厳重な観察)、balloon長時間留置の代替として、accelerated-BRTOというものが提唱されていた。これは単に、balloon留置の代わりにvascular plug等でGR shuntを閉塞だけであるが、一期的に手技が終了するため長時間カテ留置を必要とせず、患者側と医療者側の両者の負担を軽減するものである。本邦でも幾つかの施設でballoon長時間留置の代わりにcoilやNBCAでGR shuntを塞ぐ方法が行われており当施設でも行っているが、over night法と変わりない効果が得られており、今後本邦でも普及するかもしれない。GR shuntからの治療は勿論のことpericardial veinやinferior phrenic veinルートからのBRTOも触れられていた。少しBRTOからずれるが、脾静脈閉塞により生じた”脾門部脾静脈→胃静脈瘤→門脈”のようなタイプの胃静脈瘤に対して、脾静脈ステントによる順行性血行再建での静脈瘤治療も解説されており興味深かった。
 総じてBRTOの有効性とadvanced techniqueが解説されており、同セッションで韓国からの発表もあったことから、BRTOが本邦の十八番手技であるという認識を改める日が来るかもしれないと感じた。

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