【RSNA2015 Realtime Report】小倉圭史先生(札幌医科大学附属病院)Part.2

RSNA2015 Report:RSNA Realtime Report
2015.12.03

「On-Site CT Derived Fractional Flow Reserve : An In-depth Methodological Background and Practical Rips and Tricks」という演題を紹介いたします。本学会ではFFR(fractional flow reserve)-CTを着手している演題をよく目にします。心筋梗塞や急性冠症候群症例では冠動脈狭窄の程度のみならず病変部に起因した心筋虚血の有無を明確する必要があります。FAME 試験にて冠動脈狭窄に対する血行再建術はFFRを加味した上で施行した方が予後が良好であったと報告されている。しかし、従来FFRの算出は侵襲的血管内造影検査でのみ可能であった。近年、FFR-CTに対する報告が散見されるようになり、臨床の場での使用が期待されていた。今回、on-site consoleにてFFR-CTの算出が可能であり、計算時間も1時間以内と短時間処理が可能であると報告された。本研究では実際のFFRとの相関値は0.59程度とまだ低いものの、この演題の意味するところは大きく、今後のさらなる飛躍が期待される。このように臨床機上で行えることは非常に意味があり、今後、算出値の精度の向上、臨床現場での使用が望まれる。本報告はシーメンスの装置を使用しているが、CT装置メーカーだけでなく、その他も同様に着手していることも確認している。本技術は心臓循環器領域では非常に注目されており、早々の臨床現場への登場が望まれる。
 
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