山田謙太郎先生(防衛医科大学校放射線医学講座)からRSNA2015の参加レポートを頂きました。
防衛医科大学校放射線医学講座
山田謙太郎
Course No. RC552
Dynamic Musculoskeletal US: Clicks and Clunks of the Lower Extremity (Hands-on)
RSNAも後半に差し掛かった本日、初めて雪が降り、ようやく参加者のイメージするシカゴらしい天候になった。外はかなり寒かったが教育セッションはそれに全く関わらず盛り上がりを見せていた。最近日本でも定着しつつある整形外科領域のエコーのセッションに参加してきたので報告させて頂く。本日のhands-onセッションは下肢領域の整形領域の超音波検査について、講義・エキスパートによるデモンストレーション・ハンズオンの組み合わせで行われていた。写真に示しているが、セッションの面白い点は、スライドを使ってまず基本知識を教育する演者がおり(図1)、引き続きモデル(実際の人間)を使ってリアルタイムのエコーにて対象構造(靱帯や腱)を描出するデモンストレーターがおり(図2)、効果的に教育を行っていた点である。その後に実際のデバイスを用いてのハンズオンに移行する。筆者は整形外科超音波の経験はないので、デモンストレーターがエコーで描出した足関節の腱や靱帯の精細さに驚き、動態解析も行えることに感心してしまった(図3はTOSHIBA社のAplio500のMSKエコーのデモ画像)。現在日本国内でMSKのエコーを主な仕事とする放射線科医は少ないとは思われるが、その分、本邦では発展させる余地の多い領域ではないかと感じられた。日本でもこのような3段構えの教育講演(講義、デモンストレーション、ハンズオン)が増えることを期待したい。
図1:講義
図2:デモンストレーション
図3:教育セッションではないが、エコーデモ画像