Toshiba America Medical Systems

製品情報

Interview

東芝メディカルシステムズ、社長コメント

 瀧口登志夫氏(同社代表取締役社長)よりブースについてお話しを伺った。同氏は、「国内では発表済みでありますが、CT、MRI、US、Angio 、4モダリティの装置を米国で初披露しています。ハイクオリティの製品群を世界の先生方に伝えたいです」と語り、同ブースでは、ソフトウェアなどによりもたらされる画像への臨床的付加価値を特に訴求しているという。さらに、同社が画像診断領域のみならず注力している、データを院内や院外で共有するようなシステムなどについても、マルチベンダーとして買収した企業名をそのままいかして出展。多施設でデータを共有し、どこにいても同じように読影ができるシステム「ユニバーサルビューア」などのIT分野のソリューションも展示されている。

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X線

Infinix Celeve-i 8000C “CAS-930”

 X線アンギオ装置。スピードが要求されるIVRの現場で活躍するInfinix CeleveTM-i INFX-8000C。スムーズでスピーディーな臨床現場で一瞬の病変を見逃さない、210°の広範囲のローテーションと高速回転(80°/秒)を実現した。
 対象領域は、心臓、末梢血管、そして脳血管と腹部血管といった多目的利用も視野に入れて開発されている。
 新画像処理コンセプト「PureBrain™」は、透視画像の視認性を向上させ、またもちろん、同社は被ばく低減にも力を注ぎ、低線量モード、低レートパルス透視、透視画像収集機能などを選択することにより、患者様なおかつ術者の被ばくも低減している。
 

 
 さらに回転撮影中に常に明るさが一定になるX線制御を追加。再構成されるコーンビームCT画像について、従来では確認が難しい細かい門脈も観察可能。血管内治療デバイスの見え方にも大きな差が確認できる。
 

 高速回転でも常に明るさが一定な透視画像を得られる。
 

 従来では確認が難しい細かい門脈も観察可能。
 

 血管内治療デバイスの見え方にも大きな差が確認できる。

X線

Ultimax-i

 ますます好評のX線TV装置。Cアーム搭載で多方向からのアプローチを可能に。17インチ角のFPDを搭載し、造影検査、内視鏡併用検査、血管造影など多種の検査に対応している。
 

CT

Aquilion ONE/ GENESIS Edition

 同社ブースの中でも特に注目のCT装置「Aquilion ONETM/ GENESIS Edition」。米国では初披露目。320列ADCTながらも、64列ADCTよりもコンパクトなボディを実現。さらに、ポイントは主に「PUREViSION Optics」と「FIRST」。
 まず、逐次近似再構成技術FIRST により、従来より被ばく量を85.3%までに低減。加えて、再構成時間も短縮しており、一回転のボリュームスキャンで得られた320枚の画像にかかる再構成時間は約3分、さらに、ヘリカルスキャンで撮像した500枚の画像の再構成時間は約6分での処理できる。処理が速いだけでなく、画質もより改善されており、ノイズを低減し細部まで観察しやすくなった。ストリークアーチファクトの低減も実現している。
 同社独自のX線光学系技術PUREViSION Opticsは光出力40% 向上を可能とした。DASについては約半分のサイズとすることで、ノイズを28%低減。画質を担保しながらも最適なX線エネルギーを出力、より低線量でも従来通りの画質での撮像ができる。
 同社製品はデュアルエネルギーシステムも充実。CT値のカラーマップで造影領域を確認できる「Iodine Map」や、ヨード差分画像「Iodine Map差分画像」の作成も可能。高性能な位置合わせアルゴリズムを有する同社だからこそ実現。

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Aquilion ONE/ GENESIS Edition

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再構成ユニット「FIRST」

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ノイズを低減

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Iodine Map

MRI

Vantage Galan 3T

米国では初披露目となる「Vantage GalanTM 3T」。国内では、販売開始から約半年であるが、すでに9台受注されており、欧州も含めると15台にもなり、多くの施設より評価を得ている。同装置の主なポイントは3点で、『画質とスループットを究める』、『「匠の技」で3T装置をコンパクトに、経済的に』、『患者さんが「和める」検査環境を実現』である。
高SN比の画質により、腹部領域の検査、心臓検査、乳房検査など幅広い検査で、より微細な構造や部位もしっかりと観察できる。
高SN比を実現するために、同社はRF波の送信効率を向上させた。特許出願中の技術で、電波の漏れを抑え、送信効率は最大26%向上した。併せて、渦電流も抑制している。加えて、装置から発生する電子ノイズを低減し、受信ノイズを減らすことで高SN比を実現。
新しいソフトウェアmUTE 4D-MRAでは、偽狭窄や、金属クリップにより生じる信号の低下を防ぎ、血管をより正確で明瞭に描出できる。また、血流動態の観察も可能。
さらに、PianissimoTM Zenの搭載で、静音化を実現し、受診者に快適な検査環境を提供するだけでなく、装置をコンパクトに仕上げ、1.5T装置を使用していた検査室でも3T装置が導入できるほど、サイズにも注力されている。

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Vantage Galan 3T

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頭部T2強調画像。よりよいコントラストを実現。
左:5mmslice 右:3mmslice

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短い撮像時間でもより高分解能な画像を得られる。



mUTE 4D-MRAを用いたMRA画像を動画で見れます

MRI

Vantage Elan

国内1.5TMRI装置納入台数で、2014年度、2015年度と2年連続で1位を誇るVantage ElanTM。同社のハードウェアとアプリケーションで、コンパクトな装置にも関わらず高性能を実現。静音化技術を標準搭載するなど、受診者にとっても快適な検査環境を提供する。
コンパクトなボディだからこそ、狭い検査室内でも設置が可能。あるクリニックでは、検査室を20.35m2と小さくし、検査室のスペースを最小限にすることで、待合室は34.2m2のゆったりとしたスペースを確保。待合室のみならず、受付のスペースも広くすることを実現した。

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コンパクトで高性能なVantage Elan。

IT

HII(HealthCare Imaging Informatics)

 東芝は、ヘルスケアITソリューションにも大きな進展をみせていた。これは先日発表されたばかりの米国子会社バイタル・イメージズ社によるカロス・ヘルス社(本社:カナダ オンタリオ州)の買収の影響が大きい。カロス社は、ベンダー・ニュートラル・アーカイブ(VNA)で定評があり、複数の医療施設における診断画像や医療情報の連携を支援してきた。
 カロス社は他社のものと大きく違う利点を有している。Vitrea Application-Neutral Architectureとよばれるもので、オープンソース技術を使用することにより、メーカが違う場合でもVNAソリューションが可能な点である。これによりより理想的なVNA環境が構築でき、より多くの患者がその恩恵をうけることになる。現在の状況では読者もご存じのように同一メーカ内でのVNAソリューションが圧倒的に多い中なので、Vitrea社のものは次世代VNAと呼ばれている。
 またVitrea Imaging Resource Planningと呼ばれる統計解析のシステムではMRIの稼働状況が一目でわかるようになっている。これもVitrea社のVNAなのでメーカ間にしばりがなく、病院内での異なるPACSメーカでも容易につなげられるため、医療コストの削減につながる。



 Enterprise Analytics画面 稼働状況が棒グラフで表示されている。
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 外科手術あとでの紹介患者のデータなども簡単にみられるので、病院経営者には大きなメリットがある。
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 名前の打ち込みミスなども自動に判断し、修正可能だ。画面はKarlとCarlの違いを見つけた例である。

 カロス・ヘルス社ブース

 オレア メディカル社ブース いずれも東芝ブースに近接されていた。

超音波診断装置

Aplio i-Series

今年5月に日本で発売されたばかりのAplioTM i-Seriesがいよいよ米国でも発表された。本シリーズは、これまで東芝メディカルシステムズの歩んできた伝統に革新が融合し、新次元の超音波装置といえる。ラインナップは、Aplio i700、i800、i900CVの3製品から構成される。
最大の特長は、iBeam Formingというビームをより細く鋭くする技術だ。これは浅部から深部まで細く均一な超音波のビームを高密度で送受信できる技術。これにより均一で高精細な画像を描出することが可能になり、検査効率の向上に寄与している。
さらにAplio i-Seriesは、iBeam Slicingというさらに鮮明な画像を求め、iDMS probeを搭載。より精密なスライス厚制御を可能にした。また新高速信号処理アーキテクチャアにより、三次元ビームフォーミングを可能にした。

操作パネルはキーの数を大幅に少なくし、検者に使いやすい設計となっている。また12.1インチのタッチコマンドスクリーンもスワイプが可能になり、スマートフォン感覚で使えるのも、新しい。

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圧倒的に操作性のよくなった新操作パネル。

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スワイプが可能なので、より直感的に扱え、日本の臨床現場でも好評だ。

ブースインフォメーション

○この製品は見逃せない!!RSNA2016

●CT Aquilion ONE™ / GENESIS Edition

 新世代のX線光学系技術PUREViSION Opticsでは、X線エネルギー分布の最適化を図っている。X線検出部のPureViSION Detectorは光出力を40%向上させると共に電気ノイズを28%低減。FIRST(順投影適用モデルベース逐次近似再構成法)は従来の画像再構成法であるFBP(Filtered Back Projection)に比べ、大幅にノイズを低減でき、さらなる低被ばくと高画質を実現している。撮影範囲を視認できるエリアファインダとFIRST専用再構成ユニットによりセッティングから撮影、画像再構成・表示(検査スループット)の効率化を図っている。数々の機能アップ、780mmの大開口径ガントリを採用しながらもスキャナ室最小設置面積19m2と従来装置44%の省スペースを実現している。
Aquilion ONE GENESIS Edition

●MRI Vantage Galan™ 3T

 RF送受信精度を磨き上げ、SNRを20%向上させたPURERFと当社独自の傾斜磁場コイル機構であるSaturn Technologyにより高画質を徹底的に追求した。PianissimoTM Zenでは撮像音を最大99%低減し、クラス最小の検査音を実現。新たなアプリケーションmUTE 4D-MRAでは従来法(TOF法)と比較すると偽狭窄に強く、さらに1回の撮像で動態観察が可能である。この撮影シーケンスにもPianissimo Zenは対応している。高画質・快適性を備えながらクラス最小の撮像室設置面積18.6m2および定格電力70kVAを実現するコンパクトな設計と優れた経済性を備えている。
Vantage Galan 3T

○東芝メディカルシステムズRSNA 2016紹介ページURL:
http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/event/rsna2016/

○ブース:
North Building – Hall B 7334

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○ブース情報
 ” Together we complete the image”をキャッチフレーズに、各種モダリティとともに、医療の効率化を可能とするヘルスケア・インフォマティクスを含む最旬のソリューションを展示します。患者さんや医療従事者、さらに病院経営において、期待される様々な将来像や理想像。それらをお客様と共に実現するための東芝メディカルの最新技術をご紹介します。