Philips

製品情報

Interview

Philips、社長コメント

 ダニー・リスバーグ氏(代表取締役社長)より同社のRSNA2016でのテーマについて伺った。同社では、昨年同様「Radiologyの再発見」をテーマとし、放射線科医、病院、患者に対して、より、貢献をしていく。初めから、より正確な診断ができるようなイノベーションや、IT分野では放射線科をつなげていくことをテーマとし、患者の検査から治療の流れで放射線科は院内でも特に重要な位置にあるとして、様々な製品、サービスを提供していく。

MRI

MR Vision


 同社は、より正確ではやい撮像(More accessible)と、定量化(More definitive)で、さらに強いインパクト(More impact)を追求し、予防医療から診断、治療までをMRIでカバーできるようなソリューションを提供していくという。

 前述のボア内で映像が見れる機能で、快適な検査環境を提供していき、次のステップとして撮像時間のさらなる短縮を図る。Compressed SENSEにより、従来よりも短い撮像時間を実現。さらに、これからはクラウドを利用し、データの共有化に取り組んでいく。

 定量化の面では、CEST Imagingにより、造影剤を使用しなくてもカラー画像で腫瘍などの病変が判別できる。また、こちらでもクラウドを利用し、診断と治療のマッチングも今後は可能としていく。

 Elekta社と共同開発したMR-LINACでは、従来CT画像で行う放射線治療計画をMRIで実現。世界で3台導入されている。

 また、高齢化社会を受け、特に脳神経領域にも力を入れている。今回、発表された8つのアプリケーションのうち、「Black Blood imging」「MultiBand SENSE」「3D ASL」「3D NerveVIEW」は日本で開発されたもの。
 新しいハードウェア「dSync」は、グラディエント、RF波の送受信をシンクロさせ、今まではマイクロ秒単位であった一連の流れを、ピコ秒単位でのコントロールを可能にし、こちらでも脳神経領域の撮影により一層注力していく。

MRI

Ingenia 3.0T

 同装置にこの度、新たなコンテンツが追加された。撮像中、被検者に映像を見せ、検査の恐怖感を和らげることができる。また、呼吸同期撮像の際には、息止めのタイミングや長さを映像で示すことにより、スムーズな検査へと導ける。さらに、検査の残り時間も表示することで、より快適な検査環境を提供。ヘッドフォンからは、音楽も流れ、検査中の大きな音をできる限り感じさせないような工夫もある。


コイルのラインアップも充実。
左:頭部用コイル 右:頭頸部用コイル

超音波診断装置

Lumify ※薬機法未認証

 昨年も展示されていた同装置は、専用のアプリケーションをダウンロードし、スマートデバイス(プローブ)をUSB接続し、使用できる超音波診断装置。





 この度、新しく、セクタ型プローブが追加された。従来のコンベックス型は、腹部領域に主に用いるが、セクタ型は心臓領域などに用いられる。腹水などの確認であれば、腹部領域にも対応できるため、この1本で多領域に活用可能。


 様々なタイプのタブレットにも対応可能。

超音波診断装置

EPIQ 7

 腹部領域を含む全身に使用できる同社のプレミアム装置。高性能でありながらコンパクトな外観にくわえ、駆動音(37-41dB)は“図書館にいるような静かさ”を実現している。タブレット型インターフェースで直観的な操作も可能。

 「EPIQ7」

 21.5インチの画面を有する同装置に、今月新しくバージョンアップにより「Evolution 3.0」が搭載され、従来まではできなかったフル画面での高解像度表示(1万画素以上増加)が可能となった。



 上:従来の操作画面
 下:フル表示の操作画面


 エラストグラフィでも新たに追加された機能がある。大きなROI内にカラーマッピング表示でき、リアルタイムに硬さの評価が可能。ばらつきの指標であるIQR/Medで、ROI内の数値のばらつきも確認しながら検査をすすめられる。また、検査後に、取り込んだ画像から複数個所計測をすることも実現した。


 また、Shear waveを用いているエラストグラフィは、様々な要因によりデータが安定しないという問題があったが、Confidence Mapの機能により、データに信頼性があるかどうかをカラーで視覚的に確認できるようになった。日米ともに、今月発売された機能。


 他モダリティ画像とのフュージョン、穿刺針のナビゲーション機能では、肝表面や血管走行を参考にし、自動でのフュージョンが可能。同社のみの機能である。


 プローブには単結晶を採用し、皮下脂肪が多いような受診者の場合でも、高画質で画像を確認できる。C9-2コンベックスプローブは周波数帯域は2~9MHzと、一般的に腹部超音波検査で使用する周波数帯域よりも高いが、高周波数帯域を採用することでまた、高画質を実現。ルーチン検査での使用も十分可能。

CT

IQon Spectral CT


 今回は、実機の展示に代わり、大画面でバーチャルを利用し、装置や機能の紹介を行った。

 同装置は、Spectral CTであり、2層検出器により管電圧の連続エネルギーを分光してデータを収集しているため、撮影後でもレトロスペクティブに解析できるのがDual Energy CTとの違い。嚢胞か、あるいは腫瘍か迷う症例でも、ヨード造影剤含有量にスケールを置くことで、どちらなのかを判別ができる。



造影剤が取り込まれていないため、腫瘍ではないとわかる


 この度、新たに搭載されたのは、金属アーチファクトを低減すると同時に、スペクトラル解析も行い、より金属アーチファクトを抑えることができるアプリケーション。同社の金属アーチファクト抑制アルゴリズム「O-MAR」に加え、仮想単色X線画像で任意なコントラストの調整を可能とし、金属アーチファクトが、従来よりさらに低減できるようになった。


 新たに搭載されたアプリケーションの動画である

ブースインフォメーション

○Philips URL:
http://www.philips.com/healthcare

○ブース:
North – Hall B: 6735

↑クリックしていただくと、大きな画像がご覧になれます

○ブース情報
・担当者からひとこと
Reinventing Radiology “The Power of Radiology”
フィリップスでは昨年同様「ラディオロジ-の再発見」というテーマを掲げました。
それはテクノロジーそのものがもたらす変革だけでは成しえないものです。
 患者、術者、そのプロセスをテクノロジーとともに結びつけることによって、
より診断能を向上させ、ワークフローを改善し、患者へのケアを向上させながら、
経済的価値を高めます。フィリップスは、ラディオロジーがケアへの変革をもたらすことに貢献します。
1. 放射線科医に対して
 画質の向上、ワークフローのシームレスな改善を実現します。
2. 病院に対して
 放射線科が臨床面および経済面で、全ての医療ネットワークの中でより成果をあげていけるようにします。
3. 患者様に対して
 診断から治療までの時間を短縮し、患者様により情報をお渡しして、適切な治療ができるようにします。