木寺信夫先生(広島大学病院画像診断部門)からRSNA2016の参加レポートを頂きました。
“Evaluation of Restenosis After Carotid Artery Stenting:Comparison on CT Images Reconstructed with Full Iterative Reconstruction and Ultrasound Images” という演題の紹介をさせて頂きます。従来、ブルーミングアーチファクトにより評価困難だった頸動脈ステント留置術(CAS)の術後評価を東芝社のFull IRであるFIRSTによって評価できるのかを検討した内容です。FIRSTは光学的モデルの追加によりブルーミングを抑制し、高周波領域の画質が向上する特徴がある。本演題はFBP、AIDR 3D(Hybrid IR)、FIRST(Full IR)の画像に対し超音波画像をリファレンスとし比較を行い、CT angiography(CTA)を施行された30例のうち再狭窄を指摘された9例で評価した。結果はsensitivityがFBP、AIDR 3Dで55.6%、FIRSTで100.0%。NPVがFBP、AIDR 3Dで86.2%、FIRSTで100.0%となり、FIRSTは超音波画像との誤差を0.2mm以下で評価可能とされていた。質疑の中にFull IRは再構成時間が問題になるのでは?との指摘があったが、今回の検討の条件でFIRSTは3分程度で再構成可能であり問題にならないという回答であった。
Full IRはノイズ低減だけでなく分解能の向上が期待されますが、その効果が顕著に現れ非常に分かりやすい結果となっています。Full IRが登場してしばらく経ちますが、画質の向上だけでなく診断に与える効果を証明することは非常に重要なことだと考えます。
当院の横町先生の御発表でした。
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