岡田真広先生(琉球大学医学部附属病院放射線科)からRSNA2016の参加レポートを頂きました。
Sorafenib治療前後の肝細胞癌患者に対するCT perfusion検査について
月曜の午後3:00からのセッションにあるSSE09-05ではCT perfusionを用いたHCCのSorafenib治療後の早期効果判定に関する有用性の報告があった。hepatic perfusionやarterial perfusionの変化率が全生存期間とよく相関していたとのことである。
水曜の午前10:30からのSSK06-01とSSK06-03ではCT perfusionによる肝細胞癌のSorafenib治療効果について発表があった。前者の中村先生は、Serum alpha-fetoprotein (sAFP)と治療前の肝細胞癌のArterial perfusionは全生存率と関係していたと報告し、sAFPが133 ng/mL以下、治療前の肝細胞癌のArterial perfusion が82.1 mL/min/100 mL以下、治療前後のArterial perfusion比が1.1以下であると全生存率が高かった。
Thaiss先生はmRECIST評価における治療反応した患者とそうでない患者を比較して、病勢進行までの期間(無増悪期間)が前者で295日、後者で141日であったと報告している。Sorafenibは予後延長を期待できる分子標的薬であるが、実際に画像で血管新生を抑制している様子が定量できるPerfusion検査は有用で、残念ながら進行癌に対して治療されていることから考えて、多少の被曝量の多さというリスクよりもベネフィットが上回ると考えられる。ただし治療後効果判定における画像(検査法)選択に関しては議論があるところで、患者マネージメントの観点や費用対効果、その他さまざまな方向からアプローチも必要であろう。
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