岡田真広先生(琉球大学医学部附属病院放射線科)からRSNA2016の参加レポートを頂きました。
Gastrointestinal Series: Liver Imagingについて
(特に肝臓の治療効果予測、治療効果判定に対するBiomarker作成)
火曜 8:30-12:00までE350で肝臓のセッションが行われた。総説的な解説とともに最新の内容が入っているが、特にRC309-13のSeraiらによるMRE(MRエラストグラフィー検査)のTest-retest Repeatabilityのメタアナリシス報告では、MREを行う装置が同じで同じソフトを用いた場合に22%以上の変化が真の変化であり(95%CI=16.1—28.2)、少々の数値の変化は真の変化かわからないとのことで、これはRSNAのQIBA MRE biomarker committeeでサポートされた仕事のようであるが、今後定量化が進んでいくにつけ、他施設間での比較という問題に直面する際の参考データとして重要である。また山梨大学からの報告でMREを背景肝としてひとつのパラメータとした場合の乏血性肝細胞相低信号結節の転機に関する報告などがあった(RC309-8)。Non-clean liverのほうがClean liverよりも3年後のHCC発生率は多い(52.0% vs 6.4%)。またQayyumによるDiffuse Liver Disease: Fat and Ironはまとまった内容の話で知識の整理に役立った(RC309-9)。肝臓のびまん性に沈着した脂肪や鉄の評価には超音波やCT、MRIなどがあるが、特にMRIの脂肪定量はSpectroscopyやDual phaseのT1WI、さらにFat fractionソフトウエアを用いた方法など多種あり、鉄の定量にはT2*WIが有用である。
画像による定量的な肝臓の評価は、治療効果予測、治療効果判定に用いることが可能なBiomarker作成という意味で重要であり、学会を通じて大規模に推し進められるであろう。
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