各CT/MRモダリティメーカーの企業展示では、ハードウェアに関する大きなサプライズはありませんでしたが、AIに関する製品の完成度が向上していると感じました。昨年や一昨年の展示では、AIブームになんとか乗ろうとなんとなく間に合わせのような展示が並んでいましたが、今年の展示ではAIの使用目的も明確となり、色々と凝った展示も多く見られました。
GEのMRブースでは、AIRコイルに加えAIを活用したMRのイメージングに関するaugmented reality: AR体験型の展示が設置されていました。展示では、カメラとプロジェクタが設置されており、参加者が壁面にリアルタイムに投影されます。そして参加者が身体の一部に触れる動作をとると、映像上でその部位にコイルが装着される、という仕組みになっていました。同時にその部位の画像が表示され、Deep learningを利用した画質の改善やワークフロー改善などの技術がアピールされていました。この方向性はGEに限ったことではなく、Canonをはじめとした各社とも同じような技術をアピールしていました。
CTに関しては、今年はフラッグシップの装置よりも、中級機にAI技術を搭載するなどの付加価値を高めた製品が目につきました。
ベッドの上にカメラを設置し患者のポジショニングなどに活用するというアイディアを数年前から打ち出していたSIEMENSですが、今年は通常のカメラのみならず赤外線センサーなども設置することで、患者のより詳細な情報を取得できるようです。これらの情報を活用し、いくつかの追加情報をタブレットで入力することで、患者にとって最適な撮影プロトコルが構築されるそうです。撮影者によらない均質な画像を素早く提供することを目的としており、MRと同様にワークフローの改善にAIが活用されています。