今回、ACUSON Sequoiaに新しいバージョンがリリースされた。
米国を中心に世界的に肥満が増え、近年、5歳以下の肥満も増加している。こうした状況で超音波装置は、肥満の患者の撮像が困難という課題があった。ACUSON Sequoiaは患者さんに由来する超音波の画像劣化を改善するために開発された。
また、同装置には新たに7L2と9EV4のプローブが追加された(両製品とも未承認品)。さらに、高BMI患者に対して深部まで鮮明に観察できるということで開発されたのがDeep Adominal Transducer(DAX)。通常のプローブより2倍の幅がある。口径を大きくすることによって超音波の受信感度を上げることに成功。DAXは40cmまでの深部まで超音波が届くという。またリニア型で、腎臓のより深部まで描出できるようになった事に加えてBモードの画像が深部まで見えるようになった。
日本人に多いデンスブレストに対応できる装置であり、シーメンスの誇るマンモグラフィの最高機種。従来の2Dマンモグラフィに、業界最大(2021年1月現在)となる50°広角の高精度トモシセンス画像を提供することで、より正確で早期な癌検出と個別ケアが期待できる。さらに、トモシンセシスのプロジェクション画像から作られる合成2D(Insight 2D)は、2Dの画質と近づくよう改良された。フラットパネルに求められるキャリブレーション作業も3か月に1回5分で完了できるのも魅力だ。
利便性、効率性を高めるように設計された、モバイルCアーム。整形外科、外傷手術、脊椎手術、血管手術など、手術室内で複数の医療分野、高難度の治療に使用できる。
さらに、軽量、直感的なタッチジェスチャインターフェイスにより、操作性も進化。最先端手術の現場で、外科チームを助けて作業効率をアップし、患者の安全性を高めることにも一役買う。さらに、サイバー攻撃を最小限に抑えるセキュリティ機能と、不正アクセスを防止しするユーザー管理機能も装備。手術の透過性もサポートする。
PET視野106cmを誇るPET/CTだ。本製品は全身(頭頂部から大腿部まで)の視点を提供するため、1つの位置でスキャンして、体全体のトレーサー動態を動的に追跡できる。また、時間経過に伴う腫瘍灌流から、多様な生理学的プロセス、小児画像などに至るまで、Biograph VisionQuadraは調査領域を飛躍的に拡大する。
クリスタルカッティングデザインを現行の4.0×4.0×20mmから等方性を保ちながらも3.2×3.2×20mmへと細分化。FBP画像再構成においては3.7mm( Transverse,FWHM@1cm)の空間分解能を実現している。PETスライス厚は1.6mm、画像再構成マトリクスは最大880x880と、最高クラスの空間分解性能とPETの有効感度により、非常に鮮明なイメージ出力が可能だ。
同社が「High-VMRI」と呼ぶ新しいMRIシステム。独自のスキャナーとデジタル技術の組み合わせ、そして0.55テスラの新しい磁場強度により、MRIシステムの臨床応用の範囲を広げる。Magneticom Free.Maxは、MRIによる肺のイメージングを大幅に改善し、インプラントを装着した患者をより正確にスキャンできるようにしているのも特徴だ。
また、ボアサイズが80 cmと従来品よりもかなり拡大され、患者にとってより快適な環境を提供している。
これだけのボアサイズをほこりながらも重量は3t、高さ2mとコンパクトであるとともに、ドライクール技術の利用により冷却を1リットル未満の液体ヘリウムに依存することでクエンチパイプを必要としなくなった。つまり、新しいスキャナーを設置するために部屋をつくったり、大きな費用をかけて改造したりせずとも良くなったという事だ。
MRIを直接集中治療室に持ち込むなど、従来では不可能だった設置も容易になるだろう。
細分化され、煩雑になった臨床環境を統合し、知識共有を確実にする事を目的に開発されたソフトウェア。
多くの臨床部門には、画像管理、アーカイブ、および所見の作成のための独自のシステムが存在している。レポートの形式も大きく異なる可能性があり、データが普遍的に利用できるとは限らない。Syngo Carbonは、あらゆる種類の画像データとレポートデータを患者中心の形式で管理および表現できる。
構造化データは自動的に生成され、FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)などの標準化されたインターフェイスを介して利用できるようになる。Syngo Carbonを利用することで、以前はフリーテキストとしてしか存在しなかったレポートが、治療ガイドラインの適用など、自動処理に適した形式ですべての部門で利用できるようになるだろう。これにより、日常の臨床活動の効率化が期待される。
CTでは近年肺がんCT検診としても注目を集めている胸部疾患について、胸部のClinical Pathway に即した低線量撮影や AI を活用した読影サポート、及び放射線治療における課題解決を図っている。
既に低線量肺がんCT 検診の有効性についてはアメリカ、ヨーロッパの結果が示す通り症状が出る前の肺がんを早期に発見し、死亡率を低下することが証明されている。特に昨年には低線量肺がんCT検診の有用性について結果も報告された。喫煙者に対する有効性は確立されたものと言える。Clinical Pathwayの重要性はますます増大するだろう。
AI-Rad CompanionはAI技術を活用した診断支援プラットフォームである。RSNAではChest CTをはじめ5つの機能を紹介していた。一つの胸部CT画像から、肺・心臓・大動脈・胸椎骨の複数の部位の異常の検出と定量化を行う「Chest CT」の新機能としてPulmonary Densityが紹介された。これはCOVID-19の診断支援用に共同研究目的で提供されていたもので、オパシティ—の自動検出、計測機能のみを結果とし表示する。
「Brain MR」は頭部MR画像から脳の各部位を自動的にセグメンテーションした上で、年齢,性別により作成された標準データベースと体積を比較し、偏差マップを作成し異常のリスクをレポートする。
「Prostate MR for Biopsy Support」は前立腺MR画像を用いた生検支援を行うための機能で、超音波を用いて生検を行う際に補助的なツールとして使用可能である。
「Chest X-ray」は肺と胸膜に関連するX線画像所見を検出し、無気肺、胸水、肺病変、気胸、および浸潤影の検出を行った上でスコアリングを行う。
最後に「Organs RT」も紹介され、Siemens Healthineersでは画像診断支援だけでなく、治療領域でもAI技術の活用を進めていることをPRしていた。
SOMATOM X.citeはAIを利用して開発された最先端の全自動撮影システム「myExamCompanion」を搭載したCT装置である。AIによる膨大な分析データがCT検査の自動化をサポートする。本機では「患者それぞれの状況に応じて最適な検査内容の作成」、「検査後の画像作成・解析結果」、などの自動化によって、検査の標準化や検査ワークフローの効率化に寄与できることが期待される。
またこのほかにも、被ばく量低減に大きく効果的な「Tin filter technology」、高い撮影能力をそなえたX線管「Vectron」、画像ノイズの低減に寄与する検出器「StellarInfinityDetector」、患者に適したポジショニングを実現する「FAST 3D Camera」などの最新技術を多数搭載した本機は、SiemensHealthineers製CT装置の粋を集めた一機となっている。
さらにSOMATOM X.citeは、タブレット端末による操作も可能。また、ガントリボアは82cmという大型サイズとなっているため、急な検査であってもどんな体格・状況の患者にも幅広く対応することが期待できる。