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3テスラの高い空間分解能と造影能が、より詳細に病変を描き出すことで的確な術前診断を可能にした。患者のQOL向上という医療の命題に応える着実な進歩が実現されている。
■病 歴:30歳代男性
クローン病(小腸大腸型)で経過観察中、肛門部で9時方向に表皮発赤、外側皮下に約3cm大の皮下硬結を認めた。痔瘻+肛門周囲膿瘍が疑われ、MRI施行となる。
■検査目的
瘻孔の位置、瘻管の走行、皮下膿瘍の進展範囲を把握する。
■読影医コメント
CTで評価困難な瘻孔の位置、瘻管の走行、皮下膿瘍の進展範囲が明確に診断可能である。痔瘻はQOLを著しく低下させる疾患である。深部を走行して複雑な形態をとる瘻管や膿瘍腔は、触診や指診では正確な病変の広がり診断は困難である。3T MRIは非侵襲性、高い分解能と造影能によって痔瘻の術前診断に有用なモダリティとなる。
■検査担当技師コメント
3T MRIのような高磁場MRI装置で頚部、腋窩、会陰部といった凹凸のある領域を撮像する際は、磁化率によるアーチファクトや脂肪抑制の不良を克服することが必須の課題である。Multi-phase Transmissionを搭載した本3TMRI装置では、T2強調像やダイナミック撮像の際、局所的なシミングを適切に行うことによって脂肪抑制のムラがほとんど目立たなくなる。経験年数の浅いオペレータでも安定した画質が得られるため、安心して検査を行うことができる。