1.マンモエクサス菅又クリニック院長 医学博士 菅又徳孝氏インタビュー
2.Making You Happy with Pe・ru・ru~菅又クリニックの検査の流れ~
3.CLOSS×TALK(菅又徳孝先生、石栗一男技師)
4.石栗一男氏インタビュー:信頼できるマンモグラフィ装置で 確実な乳がん検診の実現を
マンモエクサス菅又クリニック
ひとりでも多くの女性の乳房を守るために
~スピーディで質の高い検査をペルルで実現~
開業から13年、スタッフ一丸となって乳腺検査・診断を行っているマンモエクサス菅又クリニック。同クリニックでは正確な検査、診断をするためにNPO日本乳がん検診精度管理中央機構の認定試験において、読影(院長)・撮影(診療放射線技師)・施設の3つにおいてA評価を取得している。また、即日結果説明にこだわり、受診者が不安な時間を過ごすことがないように配慮をしている。ひとりでも多くの女性の乳房を守りたい、という思いを抱いて邁進する同クリニックの院長、菅又徳孝氏にお話を伺った。後半では旧知の仲である石栗一男氏(大宮シティクリニック診療放射線技師 兼㈱メディカルクリエート取締役)との対談から「なぜペルルを選んだのか」という2人の想いに迫る。
乳腺専門医の発想から生まれた造語「マンモエクサス」に込められた思い
マンモエクサス菅又クリニック(以下菅又クリニック)では、主に乳腺検査・診断を行っている。クリニックの名前となっている「マンモエクサス」は、菅又氏が開業時に考えた造語である。クリニックに名前を付けるにあたり、冠となるような言葉として、クリニックでできることを1つの単語にまとめたという。
「マンモエクサス」という言葉をクリニックの名前に入れたことにより、「乳腺の疾患に対して確実な診断を出そう、という意識を常に持って診療に臨める」と同氏。クリニックの概要を一言で表すだけでなく、クリニックスタッフ全員の士気を高めることにも一役買っている。
安心感を与えるこだわり「質の高い検査と即日の結果報告」
同クリニックがこだわっているのが質の高い検査と、即日の結果説明だ。質の高い検査という点では、同氏はNPO日本乳がん検診精度管理中央機構の検診マンモグラフィ読影医師認定試験で最上ランクの「AS認定」を取得している。認定を受けた後も、レベルを高めるために読影会や勉強会に参加し、努力を続けている。また、同院の診療放射線技師は検診マン
モグラフィ撮影診療放射線技師認定試験でA認定、施設画像評価判定では総合判定Aを取得している。
大きな病院や検診センターなどでは、受診者に結果通知が届くのは、検査の約2週間後くらいという体制の施設がまだ多い。同氏はそのような体制に対し、「これは受診者にとって、苦しい時間が長く続く状態です」と述べる。そうした時間が嫌なために、検診への足が遠のいてしまう、ということもある。そこで同クリニックでは、診察や検査、結果説明までの効率化を図り、結果は検査の当日(問診後、約40分)に伝えるようにしている。それにより、「受診者は笑って帰れる。長時間不安を持ちながら過ごすことなく、安心できるんです」と同氏。このように結果を即日伝えられるのは、小さいクリニックならではの強みである、という。開業当時は、新幹線に乗って遠方から検診を受けに来る方もいらしたそうだ。現在は乳がん検診が以前よりも各地に浸透してきたこともあって、遠方の人よりも、地元の人が定期検診の感覚で検査を受けていくことが多くなってきたという。ただ、スピード重視で結果をすぐに伝えても、検査の精度が良くなければ本末転倒である。2014年5月に導入した東芝メディカルシステムズのデジタルマンモグラフィ装置「Pe.ru.ru Digital(以下ペルル)」は、高画質でありながら最適なデータ量で、画像転送やビューワでの表示がスピーディに行え、菅又クリニックの目指す乳がん検診に大いに貢献している。
スピードと画質で力を発揮するペルル
デジタルマンモグラフィの画像サイズは、画素サイズが50μmの装置の場合、画像1枚の容量が約30MBと大容量なため、適切なビューワソフト、モニタを選択しないと、画像の取り込みや読影操作に時間がかかる場合がある。それに対し、ペルルの画素サイズは85μm、画像容量は11MBである。画像の表示切り替え、拡大、パンニングが素早くできる。「ペルルを導入してからは受診者の待ち時間も短縮され、検査の流れがスムーズになった」そうだ。
また、画質も「アナログ、CR装置の時代と比べたら見違えるほど良い」という。ペルルの画像は乳腺内コントラストだけではなく乳腺外コントラストも良く、腫瘤、石灰化、その他の所見も適確に診断できるようになったという。
クリニックを明るく優しい空間にする、スタッフの細やかな気遣い
同クリニックでは、開業時から1人も看護師が変わることなく、今日に至る。「検診は1年に1回。そんな中、毎年知った笑顔に会える、ということは安心感に繋がる」と同氏は述べる。受診者が検査を受けやすくするために、スタッフ全員で活発にアイデアを出し合い、細かい部分にも気を配っている。クリニックのスタッフは、院長以外は皆女性であり、それも受診者にとって安心できるポイントである。スタッフのうち4名はピンクリボンアドバイザーの資格を持っており、乳がん検診・治療、ピンクリボン運動などの知識の普及に取り組んでいる。スタッフからの提案で処置室にカーテンを取り付けた際も、始めに発注した医療用カーテンだと「厚手過ぎる。カーテンはもっと軽くさっと開いて、明るいイメージのものがいい」という意見から、介護施設用のカーテンに買い換えた、という。これは軽い作りだが、下におもりが付いていてなびかないようになっているという機能的なものだ。少しでも受診者に心地よく検査を受けてもらおうという同クリニックの思いが現れている。工夫を凝らし、優しい空間をスタッフ全員で作り上げている。
受診者へ最大限の配慮をした検査室内のレイアウト
「クリニックを作るとき、どうしても機械に合わせて部屋のレイアウトを考えてしまいがちですが、診療放射線技師の作業スペースに配慮することが重要」と同氏。同クリニックでは動きやすい間取りとなっているため、診療放射線技師は撮影手技と受診者の応対に効率よく対応できるのだ。
またペルルはそのコンパクトさによって、受診者への気遣いという面でも、同クリニックに大きな恩恵をもたらしている。
同クリニックでは、撮影室内に操作卓を置き、技師は受診者の様子を見、フォローをしながら撮影を行うようにしている。以前は操作室を外に設けていたが、検査の不安から貧血になってしまう人もいるため、受診者の近くで操作し、すぐに対応できた方がより良い。ペルルはコンパクトなので撮影室内のレイアウトもシンプルであり、同クリニックでは、診療放射線技師は操作卓と撮影台の間を行き来するだけで撮影を行うことができるレイアウトになっている。
同氏は「乳がんは子宮頸がんなどと違い、ウイルス感染由来の癌ではありません。だから早期発見が最大の予防です。しかし、日本ではマンモグラフィ検診があまり浸透しておらず、欧米に比べ受診率が低いというのが現状です」と懸念を表す。「おそらく45.50歳くらいの女性は、育児や介護などのライフイベントが重なり、忙しいことが受診する足を遠のかせる原因なのではないか。年齢別で見ると、検診の受診率は40~50代にかけて下がり、60代になるとまた改善する印象」と同氏。大宮医師会で一次読影医の教育も行いながら、受診者を増やし、ひとりでも多くの女性の乳房を守れるよう、同クリニックの試みは続く。